【J1:第2節】 千葉 vs 清水

3月15日(土) 2008 J1リーグ戦 第2節
千葉 1 – 2 清水 (17:03/フクアリ/14,566人)
得点者:8′ 藤本淳吾(清水)、38′ 巻誠一郎(千葉)、84′ 岡崎慎司(清水)

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日本代表選手5人、海外代表経験選手2人、代表経験選手1人、代表候補経験およびキャプテン1人。これがこのオフシーズンにジェフを去ったレギュラーメンバー。そして監督とGMも去った。

何が言いたいのかと言うと、ベンチ入りを含め9名のレギュラークラスの選手が去ったのが今のジェフの現状。ジェフと言うクラブはマイナスからのスタートを切って、マイナスからチームを作り直していかなければならない状態である、ということ。
ただ、ここまでテレビ観戦を含め3試合観て思ったのは「思ったよりはいい。ただ、現実は厳しい。」という希望もあるけど、人生を歩むのと同じで、戦っていかなければいけないという事実。ということで、やはりGW過ぎまでは命からがらな試合が続くのだろう。小手先の形に頼って結果だけを求めずに、自分たちのサッカーを諦めずに追い求めていって欲しい。

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1失点目は、一番注意していたはずの藤本がフリーでドリブルで駆け上がりシュートを打ててしまった点、2失点目も、斎藤と松本の間でチェックの確認にまごついていたその隙を付かれた点。去年もそうだったけど、やはり声を出してチームとして戦っていって欲しい。

攻撃面では特定の選手が自らの能力を過信して走れていないのが気になった。まあやっぱり交代になったけど。ただ、時折これまでの「資産」を垣間見る瞬間があるから、「マイナス」といいつつもマイナスじゃないんだな、と。確かに多くの選手は去ったけど、青木や松本や金沢は、これまで一緒に練習をしてきた仲だし、「たしかにテクニックはあるけど・・・」という選手だった工藤が、ああやってチームの中心としてプレイしているのを見ると、また1つ1つ積み上げること、積み上げ続けることが(なんか実存主義っぽいのですが)、正解なんだと思う。

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あとは、そういった若い選手たちが、自信を持って危険な選手になっていってくれればうれしい。あのイギリスの北部に飛び立った選手は、「何度止められても、気にせず何度も仕掛けてくる選手の方が嫌だ」という先輩選手の声を愚直なまでに実行して代表にまで選ばれる選手になった。セーフティに行ってどうせボールを奪われるのであれば、仕掛けてボールを奪われた方がいい。今年の守備陣の選手は、大人で責任感が強くて心配性の人たちが多いから安心して仕掛けてください(笑)。

【J1:第1節】 川崎F vs 東京V

3月9日(日) 2008 J1リーグ戦 第1節
川崎F 1 – 1 東京V (14:04/等々力/21,020人)
得点者:32′ 森勇介(川崎F)、89′ ディエゴ(東京V)

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「攻撃の時なんですが、スペースに走ってる選手もいるので、それを使う意識もあっていいのかなと思いました。フォワードと中盤の間のスペースが空いていて、セカンドを拾われてました。今日は多少相手に押し込まれるところもありましたし納得はできてないです」

山岸は終始SBの選手としてフィールドに立っていた。試合中ほとんど最終ラインに吸収される形で最終ラインの裏のエリアを消す役割を果たしていた。時折攻撃参加に絡もうと、スペースに走り抜ける動きを見せるものの、味方からパスは来ず、ほとんどムダ走りに終わっていた。ただ、山岸が攻撃に絡むとその後確実にフィニッシュまで展開できていたことを見ると、山岸のクォリティが低いようではないようだ。なんというか、子どものサッカーですごいチャンスなのに、「ヘタな子」にパスが回ってこない感じ。そんな感覚だった。先制点を挙げてからは、カウンターを恐れて、チャンスになっても攻めあがる気配すら見せなかった。

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本当に彼らがクラブを出たり理由は分かっているけどつい言いたくなる。

こんなクソサッカーがやりたくてジェフを出たのか?

【J1:第1節】 G大阪 vs 千葉

3月8日(土) 2008 J1リーグ戦 第1節
G大阪 0 – 0 千葉 (13:02/万博/18,093人)

期待と不安の入り混じった開幕戦。2ヶ月前は絶望しかなかったけど、「期待」という言葉を口にできることが何よりもうれしい。何度も言うが昼田氏をはじめとするスタッフの皆さんに感謝の意を示したい。

去年のジェフのサッカーは完全に階段の踊り場に出てしまっていた。代表に選出される選手たちは「守るもの」が出来てしまったようで、完全に受け手に回ってしまっていて、仕掛けも少なくリスクを恐れ危険な選手ではなくなっていた。そして、チーム戦術的にあまりにも「攻撃の選手を増やした布陣にしたから攻撃的なチーム」という短絡的発想としか思えないメンバー構成は、「結果」という回答をクラブに突きつけた。

7年もの積み上げのあるクラブと2ヶ月前に完全崩壊したクラブの対戦で、これ以上の何を望めるだろう。たしかに攻め上がりの際の枚数の少なさ、ダイナミズムのなさについては今後の大きな課題だろうが、ポストに助けられたとはいえ、攻撃力No.1と目されたチームを無失点で抑えきった結果には非常に満足だ。

そして、攻めの場面では果敢に1対1で相手に仕掛ける青木孝や松本。何よりロスタイムにルーズボールを追って相手キーパーのクリアをカラダで防いだ巻。その後の自陣に戻る際の辛そうな表情が、なんとも情けなくて懐かしい。

いいじゃないか挑戦者みたいで。

[Live] U2 東京ドーム 1998.3.5

黄金のアーチが七色に光りだした瞬間、わらいが止まらなかった。

おそらく史上最も過小評価されたU2のツアーがこのPOP Mart ツアーだった。その理由はこのツアーと連動して発売されたアルバム「POP」の内容が、ボノも「ツアーのスケジュールを優先させる為、サウンドプロダクションの面で妥協せざる得なかった」と述べているように、ファンの期待にそぐわない内容だったからだ。

当時はデジタルとロックとダンスの融合が盛んに叫ばれていた時代で、「POP」も意欲的な取り組みが行なわれたが、10年経った今ではやはり作り込みが不十分だったことは否めない(と言ってもこのアルバムはその点を除けは決して失敗作ではない)。

そういったアルバムの失敗という先入観を受けて、このツアーに対する評価は非常に低くなっているが、高さ10メートル幅50メートルの巨大ビジョンと、マクドナルドのアーチをモチーフとした黄金のアーチ(実はスピーカーの役割も果たしている)の巨大セットは、数々のアーティストのステージを見てきた今となっては、やっぱり最高のステージだった。あと、ポップマートツアーで忘れることが出来ないエピソードとしては、停戦直後のサラエヴォにこのステージという「日常」を持ち込んだことだろう。

おそらく死ぬまでに「このライブを生で見た」と、1番自慢できるライブはこの日のライブだったことは間違いない。

[Live] TV on the Radio LIQUIDROOM 2006.7.18

間違いなく00年代を代表するアーティストでもあり、見せかけだけではない「オリジナル」であるからこそ可能な革新的な音づくりを実現している彼ら。初来日にあたるサマソニ05で見逃してしまったこともあり、待望の単独来日公演だった。

ステージも期待を裏切らぬ構成で、カオスティックな音塊を正面から放出され続けた90分間。残念なことに客席は少し余裕が見られたけど、「音楽の進化はここにある」と確信できたステージだった。

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Return to Cookie Mountain
TV on the Radio

by G-Tools , 2008/03/02

2008Jリーグプレシーズンマッチ 千葉 vs 柏

2月24日(日) 2008Jリーグプレシーズンマッチ
千葉 1 – 1(PK 3 – 2)柏 (13:01/フクアリ/12,933人)
得点者:79′ 金沢亮(千葉)、89′ 大谷秀和(柏)

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昼田GMをはじめ「事件」の後、諦めずに世界を駆け回ってくれたスタッフに感謝の意を示したい。そして、アップから大声で周りの選手に指示を出し続けいていた坂本に。

前日まで鹿児島でキャンプを張っていた柏はコンディションが悪く、本調子ではなかったものの、サッカーの形までは行かないが、闘う姿勢を見せられたことはよかったと思う。
特に、青木、米倉、金沢、益山という今期彼らの成長に期待するしかない選手たちがピッチ上を駆け回る姿を見ることができて非常に有意義なトレーニングマッチだった。
特に、松本憲の右サイドバックのポジションから、周囲の選手とのコンビネーションを経て、フィニッシュまで絡む動きは、期待するなという方が無理かもしれない。

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チーム全体としては、この試合だけでは判断できないが、4バックにフォーメーションが変わったが、中島が1つ上の高いポジションでプレーし、また、ボールに絡む動きは少なかったものの、絶妙な位置取りでバランスを取り続ける坂本のプレーは本当に素晴らしかった。ボスナが高い位置でプレスをかけられたのも彼のおかげではないだろうか。

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ただ、やはり実質「0トップ」のメンバー構成が示すようにフィニッシュについては非常に大きな課題を抱えているようだったし、2人目、3人目の飛び出しが少なく攻撃に厚みが出ていないのも、今後の課題になってくるのだろう。

谷澤については柏のサポーターに申し訳ない気持ちでいっぱいだった。昨季新潟サポーターが坂本のことを「隊長」と呼ぶ姿に歯がゆさを覚えたりと移籍の痛みが分かる分、谷澤についてコメントできるまではしばらく時間が必要だろう。

[Live] Arcade Fire 新木場スタジオコースト 2008.2.11

最近、音楽に飽きてしまったというか、かつての音楽に対する情熱を失っていたので、このライブについても、以前体験した「The Killers のいいパフォーマンスなんだけど物足りない」と同じ感覚に陥るのではないかと心配していた。

構成メンバー10人の大楽団の奏でる音楽は、一見カオスに見えるのだが骨格を成すメロディーラインが王道の流れを成すことで、飽きるどころかどんどん引き込まれていった。
メンバーの立ち位置や担当する楽器を曲ごとに入れ替え、いい意味でせわしなくライブは進行していったが、中だるみすることなく一気にラストまで疾走するステージを見せてくれた。

ただやはりなんと言っても曲がよい。決して革新的ではないけれど、聴く人を笑顔にするメロディーを恥じらいもなく奏でる大楽団。このアーティストがこの音楽を奏でる限り、何度もステージに足を運びたい。

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Funeral
Arcade Fire

by G-Tools , 2008/03/02

[Live] シガーロス 東京国際フォーラム 2003.4.15

おそらくこれが永遠の生涯ベストライブ。

このライブの後、フジロックのホワイトステージで彼らの演奏を見たが、この時の感動には全く敵わなかった。バンドが違うというより次元の違いを感じてしまった。
舞台が東京国際フォーラムということもあり、そのあたりの音響面での演出効果に多大なものがあったと思われるが、いくつかのキャンドルが立てられた薄暗いステージの上で、一音目が奏でられた瞬間から彼らの荒涼とした世界に意識を持っていかれ、そして何故かライブの間じゅう、家族や人生や世界のことをひたすら考えた。同行者も同じことを言っていた。

このライブは2作目の発表直後のライブであり、3作目のアルバムの発表時に雑誌のインタビューで、「開放された。幸せだ。」と語っていたが、3作目の完成までに叶わなかった彼ら、というより「彼」の抑圧された想いが鬱積し、あのステージを作り上げていたのだろう。「彼」には残酷な話だが、彼に犠牲になってもらってでも、あのステージはもう一度再現して欲しい。

そういえば渋谷陽一もだいたい同じことを言っていた。