【J2:第21節】 千葉 vs 東京V

6月29日(土) 2013 J2リーグ戦 第21節
千葉 2 – 1 東京V (19:03/フクアリ/11,425人)
得点者:5′ ナムスンウ(千葉)、44′ 安田晃大(東京V)、80′ 大塚翔平(千葉)

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ようやくこの道の先に「約束の地」があると信じられるチームになれた気がする。

J2での戦いは、毎年開幕直後は勢いがあるが夏以降に失速、オーロイやロボに代表されるように主軸の離脱や夏の補強の失敗し、失速を挽回できないままJ1昇格を逃す。これの繰り返しだった。

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昇格を焦るあまり、外国人籍選手やベテラン選手を中心としたいびつなチーム構成。彼らが夏以降コンディションを保てなくなり、それに釣られてチーム力も減退、そしてチームの失速。これの繰り返しだった。シーズン開幕当初から若手主体のチーム造りを進めてきたライバルチームに追い抜かされる度に、その背中が眩しく見えた。

成長の場であるはずのJ2ですら出場機会を得られない若手たちは1人またひとりとチームを去り、今期を除き毎年ゼロからのチーム作りを余儀なくされる。まるで賽の河原のようなシーズンを私たちは過してきた。

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北九州ではJリーグ中から若手をかき集め躍進を果たした三浦監督だったが、高原、西、森、中後と30代の選手が主力の東京Vはかつての自分たちの映し鏡のようだった。後半東京Vの選手の足が止まり、千葉が余裕を持ってボールを回す姿を見て「なるほどな」という気持ちになった。

その一方、この日の千葉は、前節結果を残した大塚と伊藤、そしてキムとナムの韓国コンビもスタメンに名を連ねたことで、千葉の30代のフィールドプレイヤーは山口智だけになった。
欠場したケンペスと違い、オフザボールの動きに優れ、大塚とナムが前線の起点として体を張れたことで、東京Vの出足の鋭かった前半は苦戦したものの、時間が過ぎるにつれピッチ上に「見ていてたのしい」攻撃の形が描かれた。

足の止まった東京Vの最終ラインの裏のスペースに、伊藤や佐藤健から縦に早いボールを入れ、そこに田中佑昌や大塚が飛び出して行く。決勝点となった得点も同様の形から生まれたが、こうしたチャンスを与えられた選手が結果を残す姿に眼を細め、例え勝てなくてもこの日の収穫はとても大きいと喜びを噛みしめていたところで、最高の瞬間が訪れてくれた。

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この日出場の機会は得られなかったが、町田や佐藤祥といった更なる若手がベンチに入ったこと、そして途中出場の勇人や山口慶の気を吐くプレーと、本当にこの日の試合は全方位的に最高だった。

だが、山形戦の完敗はついこの間のこと。若手たちもきちんと対策を取られることですぐに力を発揮できなくなるかもしれない。過度に浮かれず、どんな時でも選手達をサポートする気持ちと去年のプレーオフで味わった気持ちを忘れずに選手達を支えていこう。