おそらくこれが永遠の生涯ベストライブ。
このライブの後、フジロックのホワイトステージで彼らの演奏を見たが、この時の感動には全く敵わなかった。バンドが違うというより次元の違いを感じてしまった。
舞台が東京国際フォーラムということもあり、そのあたりの音響面での演出効果に多大なものがあったと思われるが、いくつかのキャンドルが立てられた薄暗いステージの上で、一音目が奏でられた瞬間から彼らの荒涼とした世界に意識を持っていかれ、そして何故かライブの間じゅう、家族や人生や世界のことをひたすら考えた。同行者も同じことを言っていた。
このライブは2作目の発表直後のライブであり、3作目のアルバムの発表時に雑誌のインタビューで、「開放された。幸せだ。」と語っていたが、3作目の完成までに叶わなかった彼ら、というより「彼」の抑圧された想いが鬱積し、あのステージを作り上げていたのだろう。「彼」には残酷な話だが、彼に犠牲になってもらってでも、あのステージはもう一度再現して欲しい。
そういえば渋谷陽一もだいたい同じことを言っていた。