昨年、パリのパリ・サンジェルマン(PSG)と、ロンドンのチェルシーの試合のチケットを購入した際の方法をまとめました。正解にたどり着くまでが大変でしたけど、答えが分かっていればそれほど大変ではないので。（英語が読める必要はありますが）
事の発端は去年の3月、急遽4月の下旬に欧州旅行に行くことになりまして、せっかくなので「フランスとイギリスで本場の欧州サッカーを堪能したい！」と思い立ったことから私の場合はスタートしました。
そして、まず目の前に立ちはだかる最大の難関「チケットどうやって買うの？」の壁。
「“欧州” “サッカー” “チケット” “購入”」などのキーワードを組み合わせてネットで検索してみると、良心的か悪徳なのかも判断が付きづらいチケット購入代行サービスのサイトばかりが現われます。
リスキーで手間のかかる商売ですから高くなるのは分かるのですが、パリ・サンジェルマンもチェルシーもそもそも定価が平均1万ぐらいと高いので、そこに代理店の手数料が乗ることで平気で1枚2～3万はしてしまいます。
同行者の分も合せて1試合4～6万それを2試合で10万超というのは「なんか悔しく」なりまして、「たかだかオレが毎週行ってるサッカー（極東の二部リーグ中位のクラブ）のチケットだろ」と変なところでスイッチが入ってしまい、自分の力でチケットを押さえる苦難の道（でもなかったですけど）が始まりました。
まず結果から話しますと、
- PSG：クラブ公式のviagogoの販売代行サイトで買ってチケットをスタジアム現地で受取
- チェルシー：クラブの公式ファンクラブに入会、その後オンライン購入、英国からチケットを日本に郵送
の方法でチケットをほぼ定価で入手。それでは各チケットの入手方法について詳しく説明します。それではまずはパリ・サンジェルマン篇から。購入したのは2012/2013シーズンのリーグ1、パリ・サンジェルマン(PSG) – ニースのパルク・デ・プランスの試合です。
1. チケットの購入
公式のオンラインショップでは売り切れだった（そもそも日本では買えたかどうか忘れてしまった）ので、viagogoを使いました。
viagogoは欧州のぴあやイープラスに該当するサービスで、パリ・サンジェルマンの専用ページを用意しているほど深い繋がりのあるサービスです。ここでは使用されないシーズンチケットの座席を放出していて、良心的な価格でチケットを手にすることができます。
viagogoの使い方は、ユーザー登録を行い、日本と同じで座席を指定しオンラインで決済を行います。
2. チケットの受取
問題は受取ですが、試合当日スタジアムのパルク・デ・プランスでの受取になります。
試合当日のキックオフ4時間前に、「The Box office」と呼ばれるチケットの受取所がオープンするので、そこで「viagogoから送られてくる（Ticket Exchange Orderなど書かれた）メール」（スマホ等の表示でも可能ですが、バッテリー切れ等が不安だったので私はメールを印刷していきました）と、「写真付ＩＤ」（英語で氏名が書かれた証明書が無いのでパスポートを持っていきました。かなり不安でしたよｗ）を持っていき、チケットを無事受け取ることができました。
チケット受取所はスタジアムのホームゴール裏あたりにある、オフィシャルショップの近くにあります。屈強なガードマンがゲートを作って準備しているので分かると思います。少し遠いですがこのGoogleストリートビューのちょうど奥にまっすぐ行ったあたりです（赤と青の小さな建物がオフィシャルショップ）。
チケット受取所の中の様子です。それぞれのサービスごとにカウンターが別れています。ここでメールとＩＤを見せると、封筒に入ったチケットを受け取ることができます。
3. スタジアム
試合会場であるパルク・デ・プランスへのアクセスは、パリ・サンジェルマン公式サイトでも日本語で紹介されていますが、地下鉄9号線の「ポルト・ドゥ・サンクルー (Porte de Saint-Cloud)」か、10号線の「ポルト・ドートイユ (Porte d’Auteuil)」から徒歩で移動します。
暴動によって死者が出ることもあるので、スタジアム周辺は数百人体制の武装した警官によって（ライフル持ってます）バリケードが築かれ、スタジアムまでのアクセスルートが限定されるので注意が必要です。
写真はスタジアムメインゲート前の警官隊と装甲車の車列です。事件現場か戦場か？というぐらい物々しい雰囲気でした。
特にメインスタンド側は、「ポルト・ドゥ・サンクルー (Porte de Saint-Cloud)」からの場合、誤ってスタジアム沿いにバックスタンドやアウェイゴール裏のゲート側に移動すると、そこから「ポルト・ドートイユ (Porte d’Auteuil)」のルートに誘導され1駅以上の距離を歩かされます（実体験に基づく反省）。だまされたと思ってスタジアムから少し離れますが、ショッピングモールを迂回してメインスタンドゲートに出ることをお勧めします。
座席の選び方ですが、私はメインスタンドのアウェイ側2階席を選びました。
ちなみにメインスタンドが「ボレリ (Borelli)」、バックスタンドが「パリ (Paris)」と呼ばれています。ホーム側のゴール裏が「Boulogune」、アウェイ側が「Auteuil」ですので「Borelli のAuteuil寄り」で見たことになります。
座席はパンパンの超満員。1時間前にはガラガラなのですがキックオフ直前に座席が一気に埋まります。ガタイの大きなおじさんが多いので、早めに移動しておいた方が良いかもしれません。
グッズの購入は前述のチケット受取所近くのショップかメインゲート付近にあるショップで買うことができます。メインスタンドで観戦するのであればメインゲートのショップが広く品揃えも良いのでお勧めです。
大きな布のフェンスで囲まれている一帯がアウェイ席です。2階席からモノが投げ込まれるので、そのための対策のようです。敵が間近にいるということで一部のサポーターが非常にヒートアップしてちょっと怖いです。試合はPSGが一方的に勝っていたのですが。
4. 注意事項
最後に注意事項ですが以下の点には特に注意してください。
- ゲートに預けなければならないのでカバンは持っていかない。みんな手ぶらで行きます。
- アウェイ席には近づかない。ホーム側から発煙筒が投げ込まれたり、暴力的な人が金網によじ登って暴れたりと、埼スタのアウェイ席とは比較にならない凶暴具合です。
- 1時間ほど前には着席しておく。どこの国の人かも分からない人に「そこ、私の席です」というのは面倒です。
- 試合終了後の帰宅ルートを確認しておく。キックオフが21時で試合終了が23時と、日本人旅行客が出歩くには危険な時間です。警察が等間隔に警備しているので最寄り駅までは、逆に安全だと思うのですが万が一に備え帰りのルートも事前に確認しておくと良いと思います。ちなみに私は混雑を避け試合終了前にスタジアムを後にしました（3-0と試合が決まっていたこともありますが）
- 試合開始日やキックオフ時間は試合数日前に平気で変わります。注意してください（実際私が行った試合もキックオフ時間が19時から21時に変更になりました）。
ですが、いろいろ大変な思いをしましたが現地でしか味わえない経験が出来たので本当に行って良かったです。
コールリーダーがいなくても、「今はこの歌だろ！」と自然発生的に始まり・まとまるチャントや、「どうやって持ち込んだの？」と不思議でしょうがない発煙筒がバンバン爆発したり、180cm強の相手ＤＦを子供扱いするズラタンのプレーとか、ベッカムがアップする姿とか。。。
試合によってはスタジアム（メインゲートの近く）や、シャンゼリゼ通りのオフィシャルショップで当日券を購入出来るみたいなので、機会のある方は是非トライしてみてください。