4バックだと思うのが間違い

なんというか未だに誤解されている気がしているので敢えてコメント。
サイドバックのポジションの選手は実はウィングバックなんだな、というお話。オシム監督の布陣は基本的に「各選手が1列前の役割を果たしているんだな」と意識して見ると分かりやすい。

  • 今野・中澤・阿部・加地
    相手が2トップ+両サイドが攻め上がってきている状態。一見4バックに見えるが実は・・・。
  • 中澤・阿部
    相手が2トップの場合は、実は2バック。サイドバックのポジションの選手は、ウィングバックもしくはサイドハーフの役割。
  • 中澤・啓太・阿部
    相手が2トップ+中盤(ウイング)の選手で攻めてきている場合。サイドバックは基本的にサイドの選手。
  • 今野・中澤・阿部
    相手が2トップ+中盤の選手で攻めてきている場合、味方の中盤の選手が攻撃的な選手の場合。
  • 中澤
    ジェフサポの視点から見た最終ライン。阿部は最終ラインにいると怖いのでいないことにしている。基本ワンバック。「坪井いれろよ」と心の中で祈っている。
  • オマケ: 中澤・川口・阿部
    キーパーにスイーパーの役割を求める。ジェフで岡本がいるときの状態。マジ勘弁してくれと思うある種のトラウマ。

だから正しい布陣は、ウイイレ風に書くとこうなります。

FW 高原
ST 山岸・俊輔
OH 遠藤
SH 駒野・加地
DH 啓太・憲剛
CB 阿部・中澤
GK 川口

2007年 アジア杯展望

ついにオシム監督の本気モードが見られるアジア杯が開幕する。

これまでの試合はテストの感が強かっただけに、ひさびさに本気のオシム監督が見られるのはうれしい限り。常人では理解できない、スターティングイレブンや交代策など見どころは満載。ただ、交代策は非常に堅実、準備が全ての監督なので、奇手・奇策の類を見ることはできないのだけど。予想フォーメーションなんぞするだけ無駄なのだが、3トップで来る相手が少ないと見てか、2バックをベースとした比較的4バックよりのスタイルで行く気がする。

あとは、ジョーカーの形で用いられる選手が誰なのか。播戸、寿人、羽生、水野あたりが攻撃的オプションで、ジェフの中島の様にクーローザー役で用いられる選手、先行している場面で、パワープレーに出てきた相手のパスの出しどころを潰す選手(速さがあって高さもある選手)として、巻・・・(あとが続かない。あとは橋本、太田ぐらいか)のどちらのオプションを行使してくるのかによって、オシム監督の考えが見えてくると思う。
ただし、潰し役の選手を投入しても、必ずしも守備的であることはなく、高い位置から積極的にプレッシングを掛けてパスの出しどころを抑えてから、そのこぼれ球を拾う形で速攻に持ち込む形もあるので、そういう意図の下で采配を振るっていることを理解してもらえるとうれしい。

気候が暑苦しいこともあり、選手達の消耗度も激しい為、「あのままでは○○が死んでしまうと思ったから」的交代もあるし、全員に出場の機会が与えられると思っていていいと思う。

  • 高原、貴章、中村俊、中村憲、遠藤、啓太、阿部、中澤、加地、駒野、川口

というのが予想フォーメーションだけど、自分がオシムだったら、

  • 高原、巻、中村俊、山岸、駒野、中村憲、啓太、阿部、今野、中澤、川口

でスタートして、巻→貴章、中村俊→寿人、山岸→水野 という形で交代枠を使っていくような気がする。

攻撃を厚くして守備は要所だけ押さえる形のアジアレベル仕様っていう考えですべて対処していくと思うし。(そうかんがえるとリベロスタイルってやってないなあ・・・)

「サッカー日本代表応援キャンペーン」広告における写真の無断加工について

「サッカー日本代表応援キャンペーン」広告における写真の無断加工についてのご説明(07.05.10)
サッカー日本代表のオフィシャルスポンサーであるキリンビールの「サッカー日本代表応援キャンペーン」において、浦和レッズのスタジアムの写真を無断で加工して使用するという事実が判明しました。その件についてご説明します。

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しかしながら、今回、制作会社である電通から申請が来た際、浦和レッズの観客席の写真を青く加工するという説明も申請もなかった上で、広告主であるキリンビールも日本サッカー協会もその事実を知らないまま許可を出し、このような事態を招いてしまったものです。

とはいっても、「© J.LEAGUE PHOTOS」って書いてありますからね、それぞれが少しずつウソをつき合ってる気がします。旗のエンブレムがハッキリ見て取れ、実際の印刷物だとサポーターが身につけているユニホームも識別できます。ポンテや小野率が高かったり、襟が大きく白いです。こんなもの注意して見なくてもすぐに気が付きます。

これで判明したのは、電通の中には「サッカー」と「サッカーでないサッカー」があることがやっぱりわかった。ということでしょうか。いずれにしても浦和を通してJリーグ全体が踏みにじられた気分がします。いたく残念です。

3.24 横濱チャレンジ! 日本代表 vs ペルー代表

キリンチャレンジカップ2007 – ALL FOR 2010! -
2007年3月24日(土)19:30/横浜国際総合競技場(日産スタジアム)/60,400人
日本代表 2-0 ペルー代表
得点:19′ 巻誠一郎(日本)54′ 高原直泰(日本)

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去年はドイツW杯後、ほとんど日本代表の試合を観ることができず、年が明けてから日本でのサウジ戦を見ると思ったよりオシムサッカーが形になってきていたので、ちょっとオシ爺の姿も見たくなったこともあり、代表戦を観にいってしまった。

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後半の早い時間でコンディションの問題で相手がほとんどプレスを掛けてこなくなったこともあり、ゆるい試合展開になってしまった。前半日本が自由にプレイできていない時間にセットプレイから得点していなければ違った試合展開になったかもしれない。

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監督が言うように、1人ひとりの選手がチームプレイではなく、自分のアピールの為のプレイに走りがちになってしまい、サウジ戦よりはチームとしてのダイナミズムが若干後退してしまったかもしれない。まあジーコ時代に比べると格段な違いなんだけど。

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阿部がやっぱり攻守の切替を実にスムーズに行なって、いたるところに顔を出していたけれど、遠征の疲れか判断の面でミスが多くピンチを招いていたので、やはり1番最初に交代させられた。高原は中盤によく顔を出しポスト役をこなし、ディフェンスも献身的に行っていた、逆に巻は相手ディフェンスの裏を狙うポジショニングと、あまり積極的にプレスにいかない姿は、「押さえているのかな?」と思わせるほどだったが、時間が経つにつれ、お互いに本来の役割に自然と戻っていった。巻はちょっとずつコンディションが上がっているのか、徐々にらしさが見えてきてよかった(ヘディングでのパスとか)。水野は本人も言うようにいつもの水野だった。

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それにしても、気が付くと巻、阿部、羽生、水野そしてベンチには水本とオシ時爺といったいどこのチームの試合を見に来ているのかわからなくなった(笑)。

長期的には我々は皆死んでいる?

サカマガの「天国と地獄」でセルジオ氏が海外組を呼ばなかったことに対して、「怒っています」とコメントしているけれど、そいった言いがかり意見に対して、とりあえず真っ当な意見を。

欧州組の招集、融合を急ぐ必要はない アジアカップは、ぜひ国内組中心で!

とすれば、7月のアジアカップも、当然、国内組中心で戦うべきということになる。
7 月は、たしかに欧州のシーズンはオフで、欧州組を招集することは不可能ではない。だが、欧州のクラブで戦っている選手たちにとっては、休養に当てるべき貴重な時期であるし、7月後半から8月初めには新シーズンに向けて欧州の各クラブが始動する。7月29日(アジアカップ決勝)まで代表に拘束されていたのでは、彼らが2007/08シーズンでポジションを失う危険もある。

近視眼的な、「長期的には我々は皆死んでいる」とケインズの言葉を額面どおりに受け取っている代理店的な人々はこれからも「海外組を!」と叫び続けるだろうけど、海外でプレーしている選手がポジションを失わず、国内でプレーしている選手、特にオリンピック代表世代がより多くの経験を積めるのだから、「海外組のプレーが日本のゴールデンタイムに流せない」以外の問題で何の問題があるだろうか。それとも、「ポジションを失う海外組」「国内組の経験不足&代表の世代交代の取り返しのつかない失敗」という結末を本気で望んでいるんだろうか。

と、渋い話ばかりしても仕方がないので、西部さんの「オシム式タイポロジーの考察」に則って、次のペルー戦のスタメンを予測。

  • リベロ: 闘莉王(コンディション次第では中澤)
  • ストッパー: 阿部、今野
  • ボランチ1: 鈴木啓太
  • ボランチ2: 遠藤
  • MF1: 中村憲 (野沢)
  • MF2: 相馬 (藤本)
  • サイド: 田中隼麿
  • ターゲット: 矢野
  • セカンドトップ: 播戸 (寿人)

かなあ。自信ないけど。
というかホントオシ爺はその時のコンディション次第だから今から予想しても仕方がないね。

オシム批判2006について

おそらく期初に立てた目標が達成できないだけの話で協会をはじめ各メディアや代理店がブチ上げている一大キャンペーンだと思うけど、年の瀬に向けてオシム批判キャンペーンが活性化してきている。
なかでも、セルジオ越後氏のテレビ朝日「激論バトル!!朝まで日本サッカー応援宣言」や「Ryu’s Video Report『ジーコジャパンとは?(前編)』」などでもコメントはかなりの悪影響を与えかねないだけにこの辺で援護射撃。

まずセルジオ越後氏からの批判について検証してみると、彼が言ってることは、

  1. 日本は批評を悪とする文化がある
  2. オシム監督にノルマが課せられていないのはジーコの二の舞となる
  3. オシム監督の方針は誤った方向に進んでいる
  4. 海外の選手を呼ばないのはおかしい
  5. つうか川淵責任取れ

という点に絞れると思うのですが、まず、セルジオ氏の日本代表に対して常に危機意識を持て、という主張については非常に賛同できます。でも、オシム監督やJリーグの現状に対しての認識はちょっと公正を欠いている感が否めないかと。特に「朝まで日本サッカー」の番組の中で「オーストリー(グラーツ)時代の功績は誰も知らない」「オシムはカネを年金を稼ぐ気分で監督をやっている」的なコメントは相当いただけない。
そもそもオシム監督はおそらく4年間代表監督を勤め上げる気はないだろう。協会の4年契約の申し出を断って“自らが言い出した”2年契約の終了時にそこでのチームの完成度を見てもう1年やるか、それともそこで自ら辞任するかのどちらかだと思う。(アジア杯で辞任キャンペーンを張られて辞めてしまう可能性もなきにしもあらずですが。)もし本気でカネを稼ぐのなら海外のクラブの監督を1年やって辞めるし、気楽に稼ぐだけであればジェフの監督をやっていた方が賢明だと思うし。

そもそもオシム監督のモチベーションがどこにあるのかを考えてみると、イメージしやすい人物として「スラムダンク」の安西先生を挙げることができると思う。安西先生が桜木や流川の成長を見て取って「これ以上おもしろい道楽があるか」と安西先生の想いを象徴するシーンがあるが、オシムにとってもサッカーとは人生の一部としての道楽である可能性が高い。よくジェクサポの間で言われるようにやはりオシム監督は「サカヲタ」なのである(笑)。Jリーグの視察や深夜放送で海外リーグの試合をチェックしているのも道楽の一環なのである。
ただし負けず嫌いの性格もあって、シャレにならないほど真剣なのですが。

そんなオシム監督の目下のテーマは「世界から敬意を表され、世界中の人々が即座にイメージできる日本サッカーの形を確立すること」なんだと思う。
ジェフでは1年1年結果を積み重ねていって、A3の蔚山現代FC戦に象徴されるジェフサッカーを作り上げた。そこで見せ付けたサッカーを代表でも展開して、勝利しそして日本のみならず世界中の人々を魅了するサッカーを作り上げることがオシム監督の目的なんだろう。

で、いま代表というか日本のサッカー会に一番足りないのは「戦術的理解」、後藤健生氏が言うところの「フットボールの文化」と見たオシム監督はジェフで行なっていた練習を代表に取り入れているのであろう。どうも日本のメディアは野球のものさしでサッカーを図ることが多すぎる傾向が強い。よくよく考えると団体球技を論じる文化がこの国にはなかったことを考えると致し方ないことなのかもしれないが、いまのメディアの上層部にいる方々が完全に一掃されるまでボクたちは待てないわけで、正直この点はオシム監督に期待する他ない。

とはいえTEN氏がいつも指摘しているように「オシムの采配で負ける試合も出てくる」監督であることは間違いなく、やることなすことすべてオッケーではないのだが、4年と言わず、20年、30年と見ていった時に、今オシム監督が代表監督に就くということは、失った後で悔いても悔い切れない幸せなことなのである。

オシム監督を失ったボクらが言うのだから間違いない。

こりゃうれしいね

木村元彦の「地球を一蹴」第30回(7/14更新)「その後のオシム監督と川淵会長について」

「日本はこういうところが素晴らしいのだ。聴衆の何と立派だったことか」

そっか自分たちではわからないことだけど、監督に言っていただくと非常に涙がこぼれそうになるほどうれしい。

あ、あとサラエボ・フットボールプロジェクトは、これからも応援していかないとな。サラエボにも是非行きたいし。そういえばU2のポップマート・ツアーのサラエボ公演の「日常を奪われたひとびとには、日常を取り戻させるのが何よりも尊いこと」という話を思い出して、また目頭が熱くなってきたし。

遊びに来てね。展覧席じゃなくてウバさんゾーンあたりに

淀川社長コメント「ジェフユナイテッド市原・千葉をご支援いただいているみなさまへ」

なんとなく終戦モードが漂っている感がするので、それに備えることにしよう。ただ、リーグ戦もカップ戦もA3も戦いの真っ只中なんですけどね。

あと、間瀬さんたちはやっぱり連れて行かないですか。オシム監督らしいや。ウバさんには断られたのか、それは監督がちょっと心配だよ。せめて、
○: 反町康治氏、小野剛氏ら
×: 山本昌邦氏、大熊清氏ら
は絶対にお願いします。気付いたら「ハラヒロミ」とか名前があったら相当ウケるけど。

オシム・ジャパン騒動について思うこと

巻の選出騒動に続き、オシム監督の大騒動が勃発中ですが、去年の今頃はまだ臨海で試合をやっていたことを思うと、隔世の想いを抱いてしまいます。

オシム監督の大騒動については、ここまでに至ったプロセスやら、物分りの悪い身勝手なクラブに仕立て上げられてることや、最終的にどうなるのか、を除いて考えると、テレビ、特に情報番組・報道番組でジェフの試合の模様を流してくれていることは、PR的には結構オイシイ感じがしますね。ようやく「走るサッカー」から「考えて走るサッカー」と言い換えられてきましたし。
(とはいえ、どこが考えて走るサッカーなのか、の解説は誰もできなかったけど。あと、シュトゥルム・グラーツなどのクラブチームでの実績が無視されているのがすごい。チャンピオンリーグの2次リーグに進出したことの監督が、これまで代表監督になったことってあったっけ?しかも率いたのはオーストリアのあまり資金が潤沢にあるとはいえないクラブ・・・。)

とはいえ、いろんなメディアが都合のいい形で、特に「オシム監督+協会 vs ジェフ」という構図で描かれているケースが多すぎなので、それについて、現状のオシム監督の考えを推測して整理してみることにしよう。

まず、日本代表監督をやりたいか、やりたくないか、という意味では「やりたい」という意思を持っている、これは間違いないと思う。
これは、長束さんのブログでも触れられているように、世間の人が思うよりも日本のサッカー界は代表を中心に回り過ぎていて、特に、マスメディアにとってJリーグは相当軽んじられた存在になってしまっている為(事実、地上波からは完全に消えつつある)、クラブチームを通してあるべきサッカー像を伝えることは事実上不可能な状態に陥っており、日本のサッカーをよりよい方向へ向ける為には、日本代表のサッカーを変えるしかない、という考えに至っているからだと容易に想像できますね。長いけど。

つまり、日本のサッカーを軌道修正するには、代表のサッカーを変えるしかない、とそこまでオシム監督は日本のことを考えてくれている訳です。また一方で「自分がやるしかないかも」と思ってしまうほど、(知ってのとおり)日本の状況は悪いはずです。

これまでの代表監督と比べて、金や名誉やステップアップといったそういったモチベーションはオシム監督はなく(事実そうじゃなかったら、とっくにレアル・マドリーの監督になっている)、あくまでもいい意味でチームを研究対象としてみて監督をやっている気がします。身近なところだと、「スラムダンクの安西先生」と同じモチベーションなんですよね。「自分がトライした結果が手に取るように見える、そのプロセスが何よりたのしい」、このモチベーションに何より喜びを感じる方であると推測されます。

また見逃せないのは、チトーから受け継がれているユーゴスラビアのパルチザン精神が、ビッククラブに代表される、体制側に付かないというスタンスに結びついているように思われます。

とはいえ、個人的には、オシム監督は「練習でできないことは、試合でできる訳がない」というタイプの典型だと思うので、トレーニングの期間をあまり取ることができない代表監督として、「皆が痺れを切らす前に」結果を出せるかどうか、というのは非常に不安なものがあります。スタメンの選び方や試合中の交代は、想像を絶する程手堅いところがありますしね。あと、中島浩司や山岸や今の楽山など、ジーコ監督と三都主の関係など比較にならないほど育てる為に使い続ける面があるし。

そういった面を正しくみんなに説明していくことが、ジェフサポの役割だったりするんだろうけどね。
しっかし、でもやっぱオシム監督の胴上げは見たいよね(笑)。

ここ数日の騒動を見て思うこと

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さゆログさんのところから拝借。

あと宇都宮さんがいいこと言った。西部さんもカモン!

そして「失言」が意図的か否か以前に、ジェフ千葉のクラブ関係者、選手、そして何よりもサポーターの心情というものを、あまりにも無視した発言であったことが、私にはどうにも納得できない。彼らがこの3年半の間、どんな思いでオシムとともに戦い、どれだけ苦しみと喜びを分かち合ってきたか――ジェフのサポーターではない私でも、それなりの理解と想像はできる。そうした大切な思い出を踏みにじるかのような今回の「失言」を、少なくともジェフのゴール裏の住人たちは、決して許すことはないだろう。

ちなみに、「もし拉致られた時は通訳どうなるの?」と思って真っ先に頭に浮かんだ長束さんもこのようにコメント。通訳、キング・カズもありかな。←いかん、賛成のスタンスか、反対のスタンスかハッキリしなくなってる(笑)。