オシム批判2006について

おそらく期初に立てた目標が達成できないだけの話で協会をはじめ各メディアや代理店がブチ上げている一大キャンペーンだと思うけど、年の瀬に向けてオシム批判キャンペーンが活性化してきている。
なかでも、セルジオ越後氏のテレビ朝日「激論バトル!!朝まで日本サッカー応援宣言」や「Ryu’s Video Report『ジーコジャパンとは?(前編)』」などでもコメントはかなりの悪影響を与えかねないだけにこの辺で援護射撃。

まずセルジオ越後氏からの批判について検証してみると、彼が言ってることは、

  1. 日本は批評を悪とする文化がある
  2. オシム監督にノルマが課せられていないのはジーコの二の舞となる
  3. オシム監督の方針は誤った方向に進んでいる
  4. 海外の選手を呼ばないのはおかしい
  5. つうか川淵責任取れ

という点に絞れると思うのですが、まず、セルジオ氏の日本代表に対して常に危機意識を持て、という主張については非常に賛同できます。でも、オシム監督やJリーグの現状に対しての認識はちょっと公正を欠いている感が否めないかと。特に「朝まで日本サッカー」の番組の中で「オーストリー(グラーツ)時代の功績は誰も知らない」「オシムはカネを年金を稼ぐ気分で監督をやっている」的なコメントは相当いただけない。
そもそもオシム監督はおそらく4年間代表監督を勤め上げる気はないだろう。協会の4年契約の申し出を断って“自らが言い出した”2年契約の終了時にそこでのチームの完成度を見てもう1年やるか、それともそこで自ら辞任するかのどちらかだと思う。(アジア杯で辞任キャンペーンを張られて辞めてしまう可能性もなきにしもあらずですが。)もし本気でカネを稼ぐのなら海外のクラブの監督を1年やって辞めるし、気楽に稼ぐだけであればジェフの監督をやっていた方が賢明だと思うし。

そもそもオシム監督のモチベーションがどこにあるのかを考えてみると、イメージしやすい人物として「スラムダンク」の安西先生を挙げることができると思う。安西先生が桜木や流川の成長を見て取って「これ以上おもしろい道楽があるか」と安西先生の想いを象徴するシーンがあるが、オシムにとってもサッカーとは人生の一部としての道楽である可能性が高い。よくジェクサポの間で言われるようにやはりオシム監督は「サカヲタ」なのである(笑)。Jリーグの視察や深夜放送で海外リーグの試合をチェックしているのも道楽の一環なのである。
ただし負けず嫌いの性格もあって、シャレにならないほど真剣なのですが。

そんなオシム監督の目下のテーマは「世界から敬意を表され、世界中の人々が即座にイメージできる日本サッカーの形を確立すること」なんだと思う。
ジェフでは1年1年結果を積み重ねていって、A3の蔚山現代FC戦に象徴されるジェフサッカーを作り上げた。そこで見せ付けたサッカーを代表でも展開して、勝利しそして日本のみならず世界中の人々を魅了するサッカーを作り上げることがオシム監督の目的なんだろう。

で、いま代表というか日本のサッカー会に一番足りないのは「戦術的理解」、後藤健生氏が言うところの「フットボールの文化」と見たオシム監督はジェフで行なっていた練習を代表に取り入れているのであろう。どうも日本のメディアは野球のものさしでサッカーを図ることが多すぎる傾向が強い。よくよく考えると団体球技を論じる文化がこの国にはなかったことを考えると致し方ないことなのかもしれないが、いまのメディアの上層部にいる方々が完全に一掃されるまでボクたちは待てないわけで、正直この点はオシム監督に期待する他ない。

とはいえTEN氏がいつも指摘しているように「オシムの采配で負ける試合も出てくる」監督であることは間違いなく、やることなすことすべてオッケーではないのだが、4年と言わず、20年、30年と見ていった時に、今オシム監督が代表監督に就くということは、失った後で悔いても悔い切れない幸せなことなのである。

オシム監督を失ったボクらが言うのだから間違いない。

2 thoughts on “オシム批判2006について”

  1. Pingback: Fruityloops Crack
  2. Pingback: Photoshop Discount

Leave a Reply

Your email address will not be published.

You may use these HTML tags and attributes: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>