【J1:第4節】 千葉 vs 神戸

4月2日(水) 2008 J1リーグ戦 第4節
千葉 1 – 1 神戸 (19:03/フクアリ/8,694人)
得点者:3′ 斎藤大輔(千葉)、88′ 鈴木規郎(神戸)

JEFUnitedIchiharaChiba - VissaleKobe 2008.4.2

何年ぶりだろう。勝ち点2を逃したというくやしい気分になるのは。

あと3分耐えれば、リーグ戦今期初勝利を手にすることが出来たと思う。少なくとも工藤にはあのチャンスを決めてもらいたかったし、前半のレイナウドもまたしかりである。交代策については、3人目の交代枠として坂本を入れ逃げ切りに入ったが、相手を抑えることができず結果を残せなったことがくやまれる。谷澤はすぐに息をきらし、顔を紅潮させて肩で息をしている。選手たちは相手の足元にパスを出し、カウンターのスピードを半減させている。相手に押し込まれると、ラインはズルズルと下がっていく。レイナウドは全く怖くなく、最大のチャンスを外した。ボスナーは最終ラインから引き出され、その隙に相手にクロスを入れられるようになった。登場したころのインパクトは徐々に薄れつつある。

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でも、全く気にしていない。このチームは、誰ひとりとして己のエゴに囚われたプレイはしていない。組織的に、チームのためにピッチ上を走っている。フルゴビッチはまるで巻のようにディフェンスをする。これってすごいことだと思っている。

選手と監督とクラブとサポーターが辛抱強く堪えれば、来年は非常にたのしみなサッカーを見ることができる気がしてならない。

【J1:第3節】 川崎F vs 千葉

3月30日(日) 2008 J1リーグ戦 第3節
川崎F 2 – 0 千葉 (15:05/等々力/17,658人)
得点者:2′ 鄭大世(川崎F)、44′ 久木野聡(川崎F)

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試合後のクゼ監督のコメント、

「このあと、マッチコミッショナーと話をしたいと思う。今日の審判についてではなく、今後の日本サッカー界のことについて話をしたい。

日本のサッカーは世界と比べて、本当にファウルのない、きれいなサッカーというイメージがある中、イエローカード、レッドカードを出しすぎていると思う。ドイツでもほかの国でもいろいろな国で指揮をとってきたが、日本ほどきれいなサッカーをする国はないにも関わらず、イエローカード、レッドカードが出しすぎているように感じる。

Jリーグ全体の目標として、イレブンミリオンというのを掲げている中、どうやってイレブンミリオンを達成できるか、どういった形でファンを呼ぼうかと考えているのに、審判のせいで、こういった形で壊されてしまうのは、日本サッカーの未来が明るくないと感じてしまう。前回の試合も後半は10人で戦ったし、今回の試合も60分近くを10人で戦った。

こういた試合をファンが見て楽しいか。ファウルでもないのに、ファウルを出されたり、イエローカードでもないのにイエローカードを出されたり、雨が降ってすべるということを前提に考えたら、あれはファウルではないと私は思っている。審判が好き放題にイエローカードを出すような試合は見ていても楽しくない。日本にとってよくないことだと思う。」

自分たちが言いたいことをクゼ監督が代弁してくれた。すくなくとも等々力にはもう行かないかもしれない。自宅から最も近いスタジアムなのだが。

何を語ろうにも審判のおかげで前提が狂いすぎているので話しにならない。それでも少しずつではあるものの組織だって攻める場面が出てきたのがうれしい。楽山、松本、谷澤の中へ切れ込むドリブルがよかった。青木はおそらくスーパーサブとして使うのが監督の本来の考えなのかもしれない。GW明けまで勝ち星を挙げられない覚悟で望んでいるので、結果については落胆していない。

【ヤマザキナビスコカップ】千葉 vs 柏

3月23日(日) 2008 ヤマザキナビスコカップ
千葉 1 – 1 柏 (16:00/フクアリ/10,856人)
得点者:35′ 太田圭輔(柏)、58′ 斎藤大輔(千葉)

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「そりゃ。こうなるだろ。」

フルゴヴィッチ、レイナウド、市原と今期初スタメンのメンバーの名前が並べば、結果的に連携が上手くくいくわけもなく、柏のハードチェックの餌食になっていった。やはり世の中甘くない。

結果的に、後半頭から市原と中島を交代し、フルゴヴィッチが(きっと審判は1枚目を出していたことを忘れていた)2枚目のイエローで退場になった後は、柏のチェックが徐々にゆるくなってきたことも重なり、選手たちの縦への意識が高まり、シンプルに相手のゴールに攻め立てることができたと思う。

特に青木は、これまで去年のような思い切りのあるプレーが見られなかったが、終盤に2度外ではなく中にドリブルで切れ込む動きを見せてくれたのが非常にうれしかった。
「成功をつかむための失敗は失敗と言わない」と某女性アスリートが語っていたが、青木をはじめとする選手たちにはこの気持ちで相手に向かっていって欲しい。

【ヤマザキナビスコカップ2008】 川崎F vs 千葉

3月20日(木) 2008 ヤマザキナビスコカップ
川崎F 0 – 2 千葉 (13:00/等々力/9,079人)
得点者:59′ 米倉恒貴(千葉)、81′ 中島浩司(千葉)

KawasakiFrontale - JEFUnitedIchiharaChiba 2008.3.20

「このチームを私は知っている。」激しい風雨の中で寒さにこごえながら、私の脳裏にはずっとこの言葉が駆け巡っていた。

おそらく、「オシムサッカー」というものを人々がイメージした場合、それは、日本代表監督時代のサッカーのイメージ、もしくはアマル・オシム監督交代後のジェフのサッカーと「攻撃的サッカー」という言葉を思い浮かべる人が多いと思う。
だが、2005年シーズンまでの2バックに傾倒する以前のオシム監督のサッカーを知る人ならば、特に「臨海不敗神話」と言われていたころのサッカーを知る人ならば、「攻撃的」という言葉にクビを傾げる方が多いと思う。

2005年のヤマザキナビスコカップ決勝でも、ガンバ大阪に後半途中まで一方的に攻められ、それをなんとか耐え切った結果、PK戦の末初タイトルを手にしたが、その時も決して「攻撃的」なサッカーではなかった。代表でも「ボリバレント」という言葉が独り歩きしたように、基本的には、センターハーフ的な選手を数多く並べ、中村俊輔でさえ守備を強いられた。

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話は長くなったが、私にとってのオシムサッカーは守備的なサッカーだ。そして、(サッカーを見る目が本当にない私の目からは)延々攻められているけど結果的には勝っているサッカー。そんなイメージの方が強い。

だからいまのジェフのサッカーは非常に不安にさせられる反面、懐かしくもあり非常に期待のできるサッカーである。何人かの若い選手がいかにも新人らしいミスをするなかで、斎藤がいて結城がいて坂本がいる。そして、ふてぶてしくゲームを決める2年目の若手がいる。

今日の勝利はあくまでも相手の調子が悪かっただけ。まだまだこれから苦しい時期は続くと思うが、きっとそのトンネルには終わりがある。そうなった時世間は、5人の選手がクラブを去った「もう一つの理由」を知ることになるかもしれない。

【J1:第2節】 千葉 vs 清水

3月15日(土) 2008 J1リーグ戦 第2節
千葉 1 – 2 清水 (17:03/フクアリ/14,566人)
得点者:8′ 藤本淳吾(清水)、38′ 巻誠一郎(千葉)、84′ 岡崎慎司(清水)

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日本代表選手5人、海外代表経験選手2人、代表経験選手1人、代表候補経験およびキャプテン1人。これがこのオフシーズンにジェフを去ったレギュラーメンバー。そして監督とGMも去った。

何が言いたいのかと言うと、ベンチ入りを含め9名のレギュラークラスの選手が去ったのが今のジェフの現状。ジェフと言うクラブはマイナスからのスタートを切って、マイナスからチームを作り直していかなければならない状態である、ということ。
ただ、ここまでテレビ観戦を含め3試合観て思ったのは「思ったよりはいい。ただ、現実は厳しい。」という希望もあるけど、人生を歩むのと同じで、戦っていかなければいけないという事実。ということで、やはりGW過ぎまでは命からがらな試合が続くのだろう。小手先の形に頼って結果だけを求めずに、自分たちのサッカーを諦めずに追い求めていって欲しい。

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1失点目は、一番注意していたはずの藤本がフリーでドリブルで駆け上がりシュートを打ててしまった点、2失点目も、斎藤と松本の間でチェックの確認にまごついていたその隙を付かれた点。去年もそうだったけど、やはり声を出してチームとして戦っていって欲しい。

攻撃面では特定の選手が自らの能力を過信して走れていないのが気になった。まあやっぱり交代になったけど。ただ、時折これまでの「資産」を垣間見る瞬間があるから、「マイナス」といいつつもマイナスじゃないんだな、と。確かに多くの選手は去ったけど、青木や松本や金沢は、これまで一緒に練習をしてきた仲だし、「たしかにテクニックはあるけど・・・」という選手だった工藤が、ああやってチームの中心としてプレイしているのを見ると、また1つ1つ積み上げること、積み上げ続けることが(なんか実存主義っぽいのですが)、正解なんだと思う。

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あとは、そういった若い選手たちが、自信を持って危険な選手になっていってくれればうれしい。あのイギリスの北部に飛び立った選手は、「何度止められても、気にせず何度も仕掛けてくる選手の方が嫌だ」という先輩選手の声を愚直なまでに実行して代表にまで選ばれる選手になった。セーフティに行ってどうせボールを奪われるのであれば、仕掛けてボールを奪われた方がいい。今年の守備陣の選手は、大人で責任感が強くて心配性の人たちが多いから安心して仕掛けてください(笑)。

【J1:第1節】 川崎F vs 東京V

3月9日(日) 2008 J1リーグ戦 第1節
川崎F 1 – 1 東京V (14:04/等々力/21,020人)
得点者:32′ 森勇介(川崎F)、89′ ディエゴ(東京V)

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「攻撃の時なんですが、スペースに走ってる選手もいるので、それを使う意識もあっていいのかなと思いました。フォワードと中盤の間のスペースが空いていて、セカンドを拾われてました。今日は多少相手に押し込まれるところもありましたし納得はできてないです」

山岸は終始SBの選手としてフィールドに立っていた。試合中ほとんど最終ラインに吸収される形で最終ラインの裏のエリアを消す役割を果たしていた。時折攻撃参加に絡もうと、スペースに走り抜ける動きを見せるものの、味方からパスは来ず、ほとんどムダ走りに終わっていた。ただ、山岸が攻撃に絡むとその後確実にフィニッシュまで展開できていたことを見ると、山岸のクォリティが低いようではないようだ。なんというか、子どものサッカーですごいチャンスなのに、「ヘタな子」にパスが回ってこない感じ。そんな感覚だった。先制点を挙げてからは、カウンターを恐れて、チャンスになっても攻めあがる気配すら見せなかった。

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本当に彼らがクラブを出たり理由は分かっているけどつい言いたくなる。

こんなクソサッカーがやりたくてジェフを出たのか?

【J1:第1節】 G大阪 vs 千葉

3月8日(土) 2008 J1リーグ戦 第1節
G大阪 0 – 0 千葉 (13:02/万博/18,093人)

期待と不安の入り混じった開幕戦。2ヶ月前は絶望しかなかったけど、「期待」という言葉を口にできることが何よりもうれしい。何度も言うが昼田氏をはじめとするスタッフの皆さんに感謝の意を示したい。

去年のジェフのサッカーは完全に階段の踊り場に出てしまっていた。代表に選出される選手たちは「守るもの」が出来てしまったようで、完全に受け手に回ってしまっていて、仕掛けも少なくリスクを恐れ危険な選手ではなくなっていた。そして、チーム戦術的にあまりにも「攻撃の選手を増やした布陣にしたから攻撃的なチーム」という短絡的発想としか思えないメンバー構成は、「結果」という回答をクラブに突きつけた。

7年もの積み上げのあるクラブと2ヶ月前に完全崩壊したクラブの対戦で、これ以上の何を望めるだろう。たしかに攻め上がりの際の枚数の少なさ、ダイナミズムのなさについては今後の大きな課題だろうが、ポストに助けられたとはいえ、攻撃力No.1と目されたチームを無失点で抑えきった結果には非常に満足だ。

そして、攻めの場面では果敢に1対1で相手に仕掛ける青木孝や松本。何よりロスタイムにルーズボールを追って相手キーパーのクリアをカラダで防いだ巻。その後の自陣に戻る際の辛そうな表情が、なんとも情けなくて懐かしい。

いいじゃないか挑戦者みたいで。

2008Jリーグプレシーズンマッチ 千葉 vs 柏

2月24日(日) 2008Jリーグプレシーズンマッチ
千葉 1 – 1(PK 3 – 2)柏 (13:01/フクアリ/12,933人)
得点者:79′ 金沢亮(千葉)、89′ 大谷秀和(柏)

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昼田GMをはじめ「事件」の後、諦めずに世界を駆け回ってくれたスタッフに感謝の意を示したい。そして、アップから大声で周りの選手に指示を出し続けいていた坂本に。

前日まで鹿児島でキャンプを張っていた柏はコンディションが悪く、本調子ではなかったものの、サッカーの形までは行かないが、闘う姿勢を見せられたことはよかったと思う。
特に、青木、米倉、金沢、益山という今期彼らの成長に期待するしかない選手たちがピッチ上を駆け回る姿を見ることができて非常に有意義なトレーニングマッチだった。
特に、松本憲の右サイドバックのポジションから、周囲の選手とのコンビネーションを経て、フィニッシュまで絡む動きは、期待するなという方が無理かもしれない。

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チーム全体としては、この試合だけでは判断できないが、4バックにフォーメーションが変わったが、中島が1つ上の高いポジションでプレーし、また、ボールに絡む動きは少なかったものの、絶妙な位置取りでバランスを取り続ける坂本のプレーは本当に素晴らしかった。ボスナが高い位置でプレスをかけられたのも彼のおかげではないだろうか。

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ただ、やはり実質「0トップ」のメンバー構成が示すようにフィニッシュについては非常に大きな課題を抱えているようだったし、2人目、3人目の飛び出しが少なく攻撃に厚みが出ていないのも、今後の課題になってくるのだろう。

谷澤については柏のサポーターに申し訳ない気持ちでいっぱいだった。昨季新潟サポーターが坂本のことを「隊長」と呼ぶ姿に歯がゆさを覚えたりと移籍の痛みが分かる分、谷澤についてコメントできるまではしばらく時間が必要だろう。

サポーター

「ファンの人
自分の生活の一部を捧げて
見に来てくれている人
背くことなんて
出来ないですよね 僕らは

だってその人たちがいなかったら
僕らの存在意義なんて無いんだからね」

NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀 イチロー・スペシャルより」

と、弱音の1つも言いたくなる状況。これまで出場機会の無かった選手達に期待しているのだけど、さすがにちょっと堪えた。