J2:第2節 千葉 vs 鳥栖

3月14日(日) 2010 J2リーグ戦 第2節
千葉 2 – 0 鳥栖 (16:03/フクアリ/12,437人)
得点者:51′ 米倉恒貴(千葉)、53′ 米倉恒貴(千葉)

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私にとっての初めてのJ2でのシーズンがいよいよ開幕しました。期待と不安が入り交じり・・・というより不安だらけです。なんというか受験生のころの精神状態にも近いかもしれません。果たして12月に僕らはどんな気持ちで涙を流すことになるのでしょうか。

前半はアウェイ鳥栖が豊田と萬代という準J1クラスのFWを並べた前線への放り込みという慎重なゲームの入り方をしてきた為、フィジカルで劣るジェフになかなかボールが収まらず、ジェフは攻撃が組み立てられずに非常にストレスの溜まる時間を過ごした。

特に江尻監督が「例えば巻などが前向きな選手にシンプルに落とす作業が、逆にシンプルに落としすぎました」と語るように、巻のシンプルなポストプレーが周囲の動きと全く噛みあわず直ぐに相手ボールにしてしまうなど、今日の試合だけでなく今シーズンのジェフの見通しを曇らせる展開が続き、サポーターは非常に不安な時間を過ごした。前半の見所は米倉のポストに当たった強烈なシュートのみと言っても過言ではなかった。

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後半、鳥栖の体力が落ち相手のパスミスからカウンターを仕掛ける場面が生まれてきたところで、米倉が工藤からのパスを落ち着いてゴール右隅に蹴り込み先制点を上げる。そして約1分後中盤でボールを奪取した後勇人が前線の空いたスペースにパスを出し、そこへ米倉が上手く抜け出し、本人が「1点決めていたので余裕があった」と語るように技ありのループシュートを落ち着いて決め、ゲームの勝敗を決める2点目をたたき出した。

鳥栖の松本育夫監督に「今日の一番のポイントはやはり千葉の攻守の切り替えの速さ」とコメントするほどこの日のジェフは後半以降、ボール奪取してからカウンターを仕掛けるまでの流れが非常にスムーズに機能していた。まるでカウンターの初動がパスではなくボール奪取の瞬間であるかのように攻守を瞬時に切り替えることができていた。

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特に勇人はボール奪取から前を向くまでの動きが1つのモーションで実行できるので、勇人がくるっと反転しながらボールを奪取した瞬間から攻撃が始まっているシーンに象徴されるように、一瞬で攻守が切り替わることで相手選手を置き去りにした形でのカウンターを実行できていたように思う。
それにしてもこの2年間の「別居期間(笑)」があったことでジェフサポは勇人の凄さを再認識したことだろう。豊富な運動量は言わずもがな、相手に飛び込みボールを奪取した後の難しい体勢のままで程よいパスを適切なフリーの選手に供給する。ただただ「凄い」のひと言である。

試合はどうにか失点を免れたジェフが勝利を収めることができたが、相手が決定機でことごとくシュートを外してくれたからだったし、逆に米倉の1点目のシーンも米倉に対するプレッシャーが弱く、GKがJ1クラスでなかったから入ったゴールだといえるだろう。「これがJ2のレベル」と言ってしまえばそうなのだが、開幕戦で熊本にロスタイム間際に同点ゴールを奪われた様に、こちらの気の緩みで取り返しのつかない結果となる可能性もあるだけに、慢心すること無くチーム力を高めJ2の舞台で戦っていって欲しい。

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最後にミリガンだが、はじめは軽率なプレーで危険な場面を何度も生んでいたが、徐々にゲームに溶け込んでいき、終盤は相手のパスやシュートを確実に止める活躍を見せていた。もともとフィジカルに強味があると思っていたが、相手選手とボールの動きを予測する能力が高く、独特のゆったりとしたリズムなのだが確実にボールに詰め寄り危険の芽を摘むプレーに舌を巻いた(日本人選手はやはり焦りすぎなのだろうか)。また、最終ラインでのボールを回している時に、味方選手に口笛を吹きフリーの選手にボールを回すように指示を出すなど、ここ数年いなかったタイプの「助っ人」の登場に胸が踊った。

豪州代表候補とあって2部でプレーする器の選手では決してないだけにミリガンの動向については常に注意が必要だろう。

それにしても山口慶の気遣いが素晴らしい。女性であれば「嫁にしたい選手No.1」に選ばれること間違いない。惚れる(笑)。