試合前、斎藤選手の試合後のガッツポーズ&笑顔をリーグ戦で久しく見ていないことをさびしく思い、彼の現役生活はそう長くないことを考えると、ただ純粋にあの笑顔が見たいと思った。
この日その斎藤はボスナーに代わりスタメンで出場。全盛期と比較してスピード面で不安があったが、赤嶺に福元、平山に斎藤が付くことでこの不安は解消。斎藤の老獪なディフェンスで平山を手玉に取り、最後平山は警告2枚でピッチから去ることになった。
斎藤が入った効果はこれだけではなく、(序盤平山に詰められボールを失う場面もあったが)最終ラインからのビルドアップは、早く適切で攻撃にリズムを生む1要素になっていたし、高い位置で相手に対してプレスを掛ける時、見方のサポートに素早く入る時、しっかりとファウルで止める時、ボールに行く時、マークに付く時とそれぞれの判断はやはり「プロフェッショナル」斎藤の成せる技だった。
この日のパフォーマンスを見る限りは、来期も斎藤はジェフのユニホームを着てピッチ上でその勇姿を見せてくれるだろう。
それにしてもひさびさに楽しい試合だった。雨が降った後のピッチコンディションでボールが高速で移動することもあってかパスも面白いように繋がるし、特にネットがタメをつくり相手サイドバックの裏のスペースを付くという攻撃で何度も作られるチャンスとフィニッシュ、やはりサッカーはこうでないと。
この日のジェフは、非常にシンプルで素早い判断の攻撃を展開することで、相手守備陣が準備を整える前に攻め上がることで決定機を何度も作り出せていた。特定の選手を非難するのは好きではないが、この日出場しなかった選手の判断の悪さは、江尻監督の目指すサッカーにブレーキの役割を果たしていたのかもしれない。
江尻監督も「もう少し早く、ボクがこういうサッカーを選手にさせてあげていたら」と悔やんだが、アレックス、坂本、工藤が相手ペナルティエリア内にどんどん入っていき、ポジションを交互に変えながら複数の選手が絡んでフィニッシュまで結び付けられるサッカーの形が見れたことは来期を考える上でも非常に収穫があったと思う。
これまでは勝ち星を上げられず来シーズンの展望に不安が立ち込めていたが、このサッカーの形を目にしたからには江尻監督を支持するしかないだろう。
それにしても勝利っていいし、楽しいサッカーは見ているサポーターだけでなくプレーしている選手自身が楽しそうで、(甘いかもしれないけど)楽しかった。
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