スパイク・ジョーンズの新作「かいじゅうたちのいるところ」のオリジナル・サウンドトラックをYeah Yeah! Yeahs のカレン・Oが担当するということを知った時、まず率直に「大丈夫か?」と心配してしまった。
童話「かいじゅうたちのいるところ」が持つ世界観と、Yeah Yeah! Yeahs でのカレン・Oのパフォーマンスは対極にあるものという認識だったからだ。
だがこのサントラは、原作が有する無垢で無邪気な世界観をカレン・Oの表現者としてのエゴがまったく衝突しない形で、むしろ普段のカレン・Oの攻撃的な表現手法を時計の針を戻すことによって、(たのもしい助っ人の子供たちの力を借りながら)子供特有の無垢で無邪気なものになり、この映画の世界観をふさわしい音楽を作り出している。
聞けば、スパイク・ジョーンズとカレン・Oは、かつて交際関係にあり、破局後だったにもかかわらずカレン・Oはこの話を快諾したという。
この互いを信じ敬う関係に真のアーティストの姿を見て2人に対する尊敬の念を高めつつ、「自制」という言葉とは無縁の存在と思っていたカレン・Oのバランス感覚を見抜くことができなかった自分を恥ずかしく思う。
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Where the Wild Things Are Karen O. & the Kids Interscope Records 2009-09-29 by G-Tools |
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