奇跡を見た。
長友のシュートが櫛野のわきを抜けゴールネットを揺らした瞬間、さすがにすべてが終わったと思った。
その後もFC東京に試合の主導権を握られたまま刻々と時間が過ぎ、来シーズンつまりJ2のことや、フクアリがもう今日の様な満員の観客で埋まることはないのではないか、そんなことばかり考えていた。
2失点目以降、意志を感じない縦パスが増えリズムも益々悪くなり、失点をあと幾つ重ねるのか、そんなネガティブな考えばかり頭をよぎった。特に羽生のシュートがゴールポストをたたいた時、横浜FM戦のように3失点目は時間の問題だと確信したし、「そんな美味い話はないよな・・・」とここからの逆転は全く考えなかった。
後半30分になろうかとした時に、新居のシュートが塩田の手を弾いてゴールネットを揺らした。谷澤からのボールはお世辞にもいいボールではなかったが、新居が生来のゴールハンターであることを思い出させてくれる見事なシュートを放った。このゴールで試合を諦めかけていた自分を情けなく思うと共に、まだ可能性があることに気付かされた。
そして3分後、サイドからのボールを巻が本当に大切に・大切に胸で扱ったボールを谷澤がボレーで蹴り込み2点目が生まれた。とても美しいゴールだった。
その3分後、クロスはことごとく跳ね返され、ボールを持つと必ず相手選手に潰され全くと言っていいほど良いところのなかったレイナウドがペナルティエリア内で仕掛けたところを今野が倒しPKを獲得。キッカーがレイナウドだということが分かってからは、PKのシーンを見ることができなかったが、顔を再び上に上げると、ボールはゴールネットの天井を突き刺していた。ついに逆転。
ここからのことはよく覚えていない。「落ち着け!」と叫び、個々の選手の名前を叫び続けた。気が付くと谷澤が相手キーパーと1対1になり簡単に相手ゴールにボールを沈めた。ありがとう谷澤。やっぱり君には笑顔が似合う。
試合が終わってからも。実際これを書いている時も本当に残留したのかにわかに信じられない。ただ、もし本当に残留できたのであれば、選手たちにとっても当然そうなのだが、私にとって「諦めないこと。信じること。」という基準がこれまで思い描いていた基準より遥かに高く設定された。そして諦めないこと、それを継続することが唯一何かを手にする権利を有するのだと、改めて学んだ。
三木社長、ミラー監督、昼田GM本当にありがとう。そして選手のみんなおめでとう、ありがとう、そして心配かけやがって苦労したぞバカヤロー!(笑)。
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