東日本大震災 ボランティア活動の記録@ スコップ団(宮城県山元町) 2012.1.7-8

20120107-08 スコップ団

ボランティアの中ではその名が知られる「スコップ団」に連休を利用して2日間参加してきた。

仙台の若者達を中心に結成され宮城県山元町を中心に活動する「スコップ団」。「ほぼにち」などのメディアに登場することも多く、一度はその名を耳にした方もいるはずだ。

団長と呼ばれるリーダーは、地元在住の青年。スコップ団の活動は、元々被災した友人を手伝う為にスタートしたが、その後も彼らは活動を続け、年が明けた2012年になっても100人近い「団員」が集まる、未だに「熱い」グループだ。

20120107-08 スコップ団

上下黒のつなぎなどユニークなオリジナルグッズの販売を行ない活動資金を捻出しているスコップ団だが、彼らの公式サイトでは、活動に対する「宣誓」を見ることができる

それは彼らの軽快で明快で、人によっては破れかぶれに見えるかもしれないが、何より「リアル」。照れもあるのかもしれない、だがこうした前に向う推進力・突破力を創り出すことは、何より難しく素晴しい。

DSCF3022

スコップ団にはルールが少ない。事前に伝えられるのは「山下駅朝9時集合」、「ボランティア保険に入ること」、「ケガをしないこと」ぐらい。

その上、現場で伝えられる情報も極端に少ない。ボランティアセンターの担当者が30分ほど説明を行なうのに比べると大違いだ。

しかし、この半年間毎週末活動を続けてきただけあって、中心メンバーたちの連携は見事だ。言葉を交わさずともアイコンタクトだけで、互いに意思疎通が図られていく。

DSCF3031

そして何より圧巻なのはスピード。

民家の瓦礫撤去作業から高圧洗浄機での洗浄作業までの作業を2~3時間で終えてしまう。通常数日間かけて何人ものボランティアが交代で行なう作業を、100人近い「団員」がまるで動物の大群が大きな獲物に襲いかかるような勢いで、民家の土砂や瓦礫を撤去して、畳を撤去し、最後は床板の洗浄を行う。しかも屋外に撤去したものは事細かに分別する。

DSCF3026

作業に立ち会われていた家主の方は「噂には聞いていたけれど、何日かかるか分からないと思っていたけれど、まさか数時間で終わるとは」と心底驚いていた。

DSCF3040

彼らが活動している地域は植林地帯に指定され、洗浄を行なった民家は原則取り壊される運命にある。

解体業者が作業を行ないやすくすることが本来の目的であるのだが、その行為は家主と共に「家に感謝の気持ちを示し家を弔う」行為のようにも見えた。

DSCF3038

そのスコップ団は3/10をもって活動を終える。

その3/10に鎮魂と追悼を目的として、彼らは2万発の花火を打ち上げようとしている。花火の打ち上げと人員・交通整理などイベント運用に掛かる費用の目標額3,000万に対して、この日までに1,500~1,800万円を集めたらしい。だが1,200万円もの大金の目途が立っていない。(今後は企業のスポンサーを募るらしいが)

このイベントに関する詳しい情報は、スコップ団公式サイト内の花火イベント「天国にぶっ放せ!」のページをご覧いただきたい。そして、もし彼らに少しでも共感したら、そっと応援して欲しいと思う。