東日本大震災 ボランティア参加方法

たった3日間という短い期間ですが、東北へ災害ボランティアに参加したこともあって、最近「ボランティアに行きたいと思ってネットとか調べるんだけど、どうやって行くのがいいのかよく分からない」という声をよく耳にするようになりましたので、(特に東京を中心とした首都圏在住者の)初めて震災ボランティアに参加する方のために向けた情報をご紹介したいと思います。

災害ボランティアの運営主体とは?

被災地での災害ボランティア活動は、各市区町村に設置された「ボランティアセンター(ボラセン、VC)」が窓口となって運営されています。そして、そのボランティアセンターは、基本的に各都道府県の社会福祉協議会が取りまとめています。

県外からの受け入れや問い合わせの窓口は、主に県の社会福祉協議会が窓口になっているようですので、私の経験ではボランティアバスのコーディネーター等、何らかの形で社会福祉協議会と係わることになります。

ボランティアという言葉を思い浮かべると真っ先に思いつくNGO/NPO (以下NGO)は、基本的にその社会福祉協議会や各地のボランティアセンターをサポートする形で携わっています。

つまり、

社会福祉協議会(岩手県、宮城県、福島県等) ← NGO/NPO 協力
    ↓↓↓
ボランティアセンター(地区町村) ← NGO/NPO 協力

という関係です。ですので「いきなりNGOに参加してというのはちょっと・・・」という方は、心配していただく必要がないことをご理解いただけると思います。

災害ボランティア参加方法

東京をはじめとする首都圏から災害ボランティアに参加するには以下の選択肢があります。

  • 東京(首都圏)発のツアーに参加する
  • 東北の各都市発のツアーに参加する
  • 被災地まで直接自家用車で乗り入れてボランティアに参加する

皆さんのスケジュール、予算、移動手段、そしてボランティア参加経験に応じて自分に合った参加方法を選ぶことができます。それでは、それぞれの参加方法についてご説明したいと思います。

東京(首都圏)発のツアーに参加する

主に旅行代理店や有志の団体などが主催するバスツアーを中心としたツアーです。

都内であれば東京駅や新宿等のターミナル駅や周辺の都道府県の各都市から出発します。ツアーは宿泊施設を利用した泊りがけのツアーや、日帰りでのツアーが用意されています。
ツアーの情報は主に以下のサイトで確認することができます。

全国のツアー情報

東京近郊出発

埼玉県発

茨城県発

東北の各都市発のツアーに参加する

仙台、盛岡、福島、郡山といった被災三県の主な都市から活動を行う被災地の現場まで輸送してくれる日帰りのバスツアーです。

東京発のツアーと比較して予約が取りやすいことや、活動する被災地を選びやすいことが特長です。また、バスの出発地まで新幹線など好きな交通手段を選んで移動できるため、体に負担の掛かる長時間のバス移動以外を選択できる点、ボランティア・バスの出発時刻までの予定を比較的自由に組むことができる点が魅力として挙げられます。

また、JR東日本の「やまびこ自由席片道きっぷ(~6/13)」通称「ボランティア割引きっぷ」等を併用することで、金額の負担も少なくこの参加方法を選択することが可能になりました。

各ツアーは、各県のボランティアセンターが運営するサイトで確認することができます。

現場まで直接乗り入れてボランティアに参加する

最後は中~上級者向けの参加方法になりますが、被災地のボランティアセンターに直接出向いてボランティア活動を行う方法があります。

有名なところでは、気仙沼市小泉浜災害ボランティアセンター、通称「はまセン」等がありますが、社会福祉協議会レベルだけでなく、各地のボランティアセンターもブログ等のサイトから災害ボランティアの募集を掛けていますので、その情報をチェックして直接現場に向かう形になります。

注意しなければならないのは、事前申込が条件となっているボランティアセンターに関しては、事前にボランティアセンターに対して申込を行う必要がありますので、忘れずに申込をお願いいたします。

出発前の準備

震災の爪あとが大きく残る被災地での活動となるため、他人に迷惑を掛けないため事前のしっかりとした準備が大切になります。服装や道具など身の回りの準備も必要ですが、何より「ボランティア活動保険」への加入は、被災地へ向かう前に済ませる必要があります。(ツアーによっては一括で申し込む場合もありますので、このケースは除きます)

ボランティア活動保険

災害ボランティア活動時のケガやなどを補償するボランティア保険です。
他人をケガさせてしまったり、大切なものを壊してしまったりと思わぬ事故を起こしてしまう可能性もありますので、周囲の方々の為に必ず『ボランティア保険「天災プラン」』に入る必要があります。保険料も1年間で720円と大変安く、住所と名前を書くだけで加入できますので必ず加入してください。

ボランティア活動保険 受付窓口

加入の窓口は、各都道府県および市区町村の「社会福祉協議会(ボランティアセンター、市民活動センター)」になります。東京都であれば下記のサイトから窓口の場所を確認することができますが、東京都以外にお住まいの方は、地元の「社会福祉協議会」や市区町村のサイトをチェックしてください。(これがなかなか見つからずに苦労します!)

東京都

服装について

基本装備=フジロック+αの装備

服装については、こちらのPDFを参考にして、基本装備(1枚目の右側のイラスト)をそろえることが大切です。

saigai_manual_001

凄惨な被災地の様子から「どれだけの重装備をしていけば良いのか?」と思う方もいると思いますが、私は基本的に「捨てても良いフジロックへの参加装備(ただし長袖・長ズボン)+α」と、多少カジュアルに考えていただければ良いと思っています。

「+α」の部分に関しては、「ゴーグル」、「ゴム手袋」、「防塵・防臭マスク」で、「可能であれば安全靴(なければ長靴)」の4点だけです。

ヘルメットに関しては、倒壊しそうな住宅等上から何か降ってくる環境で作業しない限りは、用意する必要がないと考えています。特に夏は暑いので帽子で十分ですし、その様なやや危険な場所はヘルメットを所有している中~上級者のボランティアに作業を任せてしまうのが良いでしょう。作業は他に幾らでもありますので。

装備が買える場所

これらの装備は基本的に規模の大きなホームセンター(東急ハンズ含む)で大抵のものは揃いますが、厚手のゴム手袋や防塵・防臭マスクは「ワークマン」が非常に品ぞろえが良く値段も安いので、この機会に是非利用することをお勧めいたします。(ワークマンがものすごく頼もしげに見えます!)

夏の時期に向けた対策

そして、これからの夏の季節に向けた準備として、おそらく用意した方が良いと思われるものは以下の通りです。

  • 虫よけ (魚の死がいから発生したハエ・小バエ対策)
  • 日焼け止め
  • 防臭機能の高い防塵・防臭マスク

以上が私が皆さんにお伝えできる情報の全てです。本当に最初の1回までは準備も大変に感じますが2回目以降は実にスムーズに準備することが可能です。

また、現地での作業も想像しているよりも遥かに「軽作業」で、会社や町内会の大掃除レベルの作業でしかありません。ただし、現地では確実にボランティアの活動を必要としていますし、老若男女問わず誰にでもできる作業が待っていますから、躊躇せずに適度に備えてでも気軽に参加していただきたいと思います。

皆さんが想像しているよりも、得るものがあることは間違いありませんから。