東日本大震災 ボランティア活動の記録@いわき市久ノ浜 2011.5.7-8

ボランティア活動 いわき市久ノ浜

東京電力福島第一原子力発電所から約30キロのところにある町、福島県いわき市久ノ浜で2日間災害ボランティア活動を行ってきた。



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宮城県、岩手県と比較すると被災県として存在感の薄い福島県。

はじめ、活動の地である久ノ浜に到着した際には、「福島第一原子力発電所の事故の影響で復旧作業が進まない」という話は聞いていたが、宮城県や岩手県と比較して多少距離がある分、津波による被災のレベルは低いのではないか?福島の方が大げさなことを言って私たちを無理矢理連れてきたのではないか?という疑いの心が、津波の爪痕があまり見えない光景を目にすることで生まれていた。

ボランティア活動 いわき市久ノ浜

久ノ浜の駅から真っ直ぐに海へと続く道を500メートルほど歩くと、またもや受け入れがたい光景が目の前に広がった。

「これ程惨い被災地が福島にもあるのか」

ボランティア活動 いわき市久ノ浜

この久ノ浜では、地震、津波の後に大火事が発生し、町のほとんどが焼け尽くされてしまった。その上、放射性物質の影響に苦しんでいる。原発の問題で復旧作業の作業員が集まらないというのだ。

ボランティア活動 いわき市久ノ浜

久ノ浜、福島の人たちは、どうしてここまで苦しまなければならないのか。そして、どうして私は「久ノ浜」という言葉を知らないのか。

ボランティア活動 いわき市久ノ浜

被災地の北部にあたる「釜石」から南部の「いわき」までもこのような被災状況であることが今回のボランティアで分かったと言って良いだろう。松島などの例外中の例外を除いて、全て「やられてしまっている」ことを実証したと言っても過言ではない。

ボランティア活動 いわき市久ノ浜

久ノ浜では2日間、側溝にたまったヘドロのかき出し作業を行った。いわゆる「ドブさらい」だ。誰でもできる作業である。でも、今回も地元の方に追加作業をリクエストしていただけるなど、ほんの少しだが役に立てたような気がする。

KICX3249

また、お昼の休憩中に、地元の方々による炊き込みご飯と豚汁の炊き出しをご馳走になった。作業終了後には冷えたアルミ缶入りのお茶をボランティア全員に振る舞っていただいた。どんな時でも、どんな状況でも、もてなしの心を忘れない地元の方の気持ちと「プライド」に、日本人の芯の強さを垣間見た。とても美しい経験をした。