J2:第34節 東京V vs 千葉

11月14日(日) 2010 J2リーグ戦 第34節
東京V 1 – 2 千葉 (17:04/味スタ/25,110人)
得点者:7′ 平本一樹(東京V)、60′ アレックス(千葉)、71′ 佐藤勇人(千葉)

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「リスクを冒してでも前に行こうと思っていました」。そうだ。ゴールは前にある。前半やこれまで敗北を記録した試合で千葉は前に向かう意識が乏しかった。だがいくら横や後ろにボールを運んでも得点することはできない。勝つことはできない。僕らはもう勝つしかない。それならばボールを前へ運ぶしかない。


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前半、ヴェルディは典型的な「千葉対策」を取ってきた。自陣に引き、中盤の選手に厳しいチェックを掛けていくことで千葉の2列目にボールを入れさせない。そうなると千葉は不思議なぐらい動きがぎこちなくなり、後ろや横にしかパスを出せなくなる。その上、手詰まりとなると苦し紛れにFWに向けてロングボールを蹴るも、ターゲットが1枚では相手に競り勝つことができずあっさりとボールを奪われてしまう。まあそれはまだマシな方で信じられないパスミスでボールを相手に献上してしまうことも1度や2度の話ではない。

そうこうしているとシンプルなカウンターで千葉ゴールに攻めるヴェルディにあっさりと先制点を奪われ、昇格の望みが完全に絶ちきれるとともに「4連敗」という現実が重くのし掛かってきた。

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江尻監督は前線にボールが全く入らない状態を見かねて、前半の内に伊藤に代えて米倉を投入し2トップのシステムに変更。そこからようやく千葉は「見られる」サッカーになっていった。

米倉の投入は非常に効果的で、FWが2枚になることでヴェルディは狙いを絞れなくなり、徐々にではあるがボールが前線に入るようになった。もしくは、裏のスペースを有効に使えるようになり、徐々にヴェルディゴールに迫って行った。

何より千葉はシンプルに相手ゴールに向かってボールを運べる様になり、最終的には「リスクを冒してでも前に行こうと思っていました」と試合後語った勇人の相手選手に囲まれながらも前を向き放ったトーキックのシュートで決勝点を生み出すに至った。

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「ハーフタイムに、(中略)今週やってきたことは足元でつなぐことではないという話をした」と江尻監督は試合後記者団に語ったが、今期ここまで苦しむ原因となったのは、この話に象徴される指揮官の意識と選手のプレートのギャップが原因だ。どちらが悪いという話にしたくはないが、特にスタメンに込められたメッセージが今日の試合に限っては適切ではなかったように思う。

とはいえ今の千葉は細かなことに捕らわれることより、残り4試合全て勝利することだけを考えなければならない。その為に何が必要で何を成すべきか今日の試合でそれは十二分に分かったはずだ。

相手のゴールは前にある。だから相手を恐れず時にはしたたかに相手を陥れ、ボールを前に運びゴールを決める。それだけで十分だ。まったりとした不純物が混ざりまくった脂肪体質の攻撃のビルドアップはもうたくさんだ。

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