【J1:第26節】大宮 vs 千葉

9月22日(土) 2007 J1リーグ戦 第26節
大宮 0 – 1 千葉 (15:01/駒場/8,449人)
得点者:’32 斎藤大輔(千葉)

SN370056

もうすぐ10月を迎えようというのに気温は32度。そうなってしまうとペース配分を考えた低調な試合にならざる得ないことは分かっていても、少し退屈な気分になってしまうのは致し方ないものか。
ともあれ今日の試合は、勝ち点さえ持ち帰れば何でもあり、だと思っていたので、その点では最高の結果を収めた選手達に敬意を表したい。

試合はやはり執拗なマンマークでデニス・マルケスを一発退場に追い込んだ水本をたたえるべきだろう。前半のデニス・マルケスとのマッチアップはもちろんのこと、後半完全にリベロとなった水本の最終ラインから飛び出して中盤で相手をつぶす働きは、水本の確かな成長を示すものだったように思う。
一方攻撃陣は、ロングボールを多用してらしくない攻撃を展開し、新居はトミダイに巧く抑えられ、特に水野はボールを持ちすぎるなど今後が少し心配になった。ただし、下村をはじめとして中盤で相手をつぶす動きがしっかりとこなせたことは大きかったと思う。全体的に言えることだが、ここに来てチーム戦術がようやく浸透し、前半戦毎試合スタンドまで届いていた選手達の「とまどい」が消えていったことが好調な成績の理由なのかもしれない。

中断前まではあれだけ恐れていた降格から今は足先だけハマッている気分で、非常に気分が楽なのがうれしい。アマル監督も言うように前半戦、そして負けた・引き分けた試合の方がずいぶんと内容がいい試合があったにもかかわらず、このような低調な試合でも勝ててしまうとは、サッカーは怖いし難しいし、運というのはすごいものだ、と改めて考えさせられた。

最後に、やっぱり決勝点を決め、守備でも要所要所を押さえ、試合終了後はゴール裏に行こうとした選手を引きとめ、バックスタンドのサポーターにもあいさつに向かわせた大さんは、シーズン前にあんなことがあったにも関わらず、これだけクラブに貢献してくれて、サポーターを含めた全ての関係者は感謝しなければならないと思う。ありがとう。

日本代表 vs オーストリア代表

3大陸トーナメント
9月8日(土)3:30/オーストリア・クラーゲンフルト
日本代表 0-0(PK3-4) オーストリア代表

前半から柏レイソルのようにオーストリア代表がきっちりとプレスをかけてきただけあって、アジアとは違いなかなか前線にボールを運べないシーンが続いたが、欧州のアウェイの地において、成長途中でまだまだ若い相手だったとはいえ、これだけ主導権を持って試合運びを行なえたのは驚愕に値すると思う。

だってドイツW杯の開催前にはほぼトップコンディションの状態でボスニア・ヘルツェゴビナになんとか引き分けたぐらいですから。先日独W杯のクロアチア戦のビデオを見たが、いやー酷い。酷すぎる。これでよくW杯出れたな、という具合なので機会があれば見比べて欲しい、今がどれだけ洗練されたサッカーをしているのか確認できますので。

相手DFが185cmを超える大型選手だとしても、貴章にはもう少し「役割」の面で頑張ってもらいたかった。調子が上がってきているだけに巻の方が「役割」がこなせる分機能するように思えた。
試合は日本の決定力が問題になっているようだが、(これはオーストリア代表の方が深刻な問題だけど)決定機が作れていないことが何より問題だろう。ゴール前残り16mに近くなればなるほど、大胆になっていいと思う。高原がクローゼの「キーパーを狙ってシュートすれば入るよ」というアドバイスを受けてから覚醒したと言い伝えられているように、相手キーパーがはじいたボールを誰か押し込めばいいぐらいの感覚でいいのではないだろうか。特に欧州の選手が相手だと俊敏性はこちらの方が上回るので、結構合理的な考えだと思う。

選手交代については、両SBというかWBが疲れてきたときに、4バックから3バックに切り替える交代策が阿部が不在ということもあって使えなかったのが痛い。というか憲剛ではなく今野だろう、と爺にはツッコミ入れたくなったけど、まあ仕方がない。早くオリンピック予選など終わって、安田や内田や中村北斗をA代表に呼び寄せれば一気に問題が解決しそうな気もしなくもないので。

何はともあれジェフの選手はリーグ戦もあるのでもう日本に帰ってきて欲しいな、なんて。

ルーカスと私

FC東京の試合を観にいくと、いつもルーカスが得点している気がして、改めてまとめてみると、私が観戦した試合のルーカスの得点は以下の結果に。

  • 2005年第12節 市原vsFC東京: 1得点
  • 2005年ナビスコ予選 FC東京vs市原: 無得点
  • 2005年第31節 FC東京vs市原: 無得点
  • 2006年第08節 FC東京vs千葉: 1得点
  • 2006年第18節 千葉vsFC東京: 2得点
  • 2007年第01節 FC東京vs広島: 2得点
  • 2007年第11節 FC東京vs千葉: 1得点
  • 2007年第24節 FC東京vs神戸: 2得点

全9得点。リーグ戦に限定すると1試合平均1.3か。どうりで。今年に限っては今節までの総得点8得点中5得点しているという(汗)。
次のホームFC東京戦はパスかも。

【J1:第24節】 FC東京 vs 神戸

9月1日(土) 2007 J1リーグ戦 第24節
F東京 3 – 1 神戸 (18:34/国立/23,968人)
得点者:’27 河本裕之(神戸)、’44 今野泰幸(F東京)、’68 ルーカス(F東京)、’81 ルーカス(F東京)

P9013911

神戸のワンタッチで崩していくパターンが面白かった以外は何と言うか評価しづらいゲームだった。他クラブのサッカーは本当によくわからない。前半から両者が拮抗した試合展開だったので、「最後は交代枠の選手の違いでFC東京かなあ・・・」とFC東京サポ全員が思っていたであろう展開で終わった。神戸側が近藤が交代してから相手の得点を立て続けに許していったことからも、連戦続きでなければ結果は違ったのかもしれない。

ジェフと違って縦の浮かせた早いボールを使った展開が、良く繰り出されていて、なんでジェフはこれを辞めてしまっているんだろうかと、いつも抱いている疑問がまた大きく膨らんだ感じ。

それにしても、新潟戦の新居。新居のゴールはいつもストーリーがあって素晴らしい。「孝太が左サイドで相手と1対1になったので、あいつなら絶対に上がってくると信じてニアに入った。」カッコイイ!!

8月に読んだ本

ふだんはスローペースで本を読むというか、部屋中積本状態で本を買っただけで読んだ気になっている私ですが、私の中では今月は結構数を読んだので記念にリストアップ。しかもどれもおもしろかったし。

今回読んだ本は、結果的に「国策捜査」というテーマを意識して読んでいて、「国策捜査」と言う言葉は、「検察庁・国家の陰謀」といった安易なイメージで語られることが多いけど、実際は佐藤優氏の「国家の罪」で描かれているように、政局や社会のパラダイム転換が生じた際に、変化を象徴的に社会に伝える為に、検察が法解釈の基準をちょっとだけかえて(まるでサッカーの審判のジャッジが変わるように)、一部の人間を犯罪者というかアイコン化すること、というのがよくわかった。

元東京地検特捜部出身のヤメ検弁護士田中森一氏の自叙伝。必要悪を認めず清廉潔白で幼稚な世論こそ真実だと思い込んじゃっている人以外にはオススメの本。この本を出版した幻冬舎の見城さんがやっぱりすごい、と思った。

photo
反転―闇社会の守護神と呼ばれて
田中 森一
幻冬舎 2007-06
おすすめ平均 star
star正直疲れました
star自分の人生を考える時にお薦めです
star国家権力の毒
star元特捜検事が描く、バブル経済、裏経済と表経済の交錯、国家権力中枢
star戦後日本の光と影が描かれています

by G-Tools , 2007/09/01

「反転」の田中森一氏の事件を外側にあたる魚住昭氏の視点から描いた作品。田中森一氏の著書を通しての発言がどの程度公正なものであるのかを検証するために購入。

photo
特捜検察の闇 (文春文庫)
魚住 昭
文藝春秋 2003-05
おすすめ平均 star
star三つ子の魂、百まで
star正義はなにか?
star自己主張する検察
star慄然とする
starいろいろ考えさせられます。

by G-Tools , 2007/09/01

まず読むべし。「外務省のラスプーチン」と呼び彼を犯罪者とみなすことがどれだけ滑稽なことであったのかを思い知らされる一冊。西村検察官とのやり取りは本当に秀逸。「実質識字率5%」、「週刊誌の中吊りとワイドショーで実質的に世論は形成される」という言葉は耳が痛い。あと、鈴木宗男さんすみません。田中森一氏にちょとだけ触れる箇所があって、そこで鳥肌。

photo
国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて
佐藤 優
新潮社 2005-03-26
おすすめ平均 star
star政治の裏側が垣間見えました。
starこの本から学ぶことは多い。
star読むべし
star「日本人実質識字率5パーセント」を少しでも上げる意味でも読んでみたい
star国家に関わる人間たちの異常性

by G-Tools , 2007/09/01

「国家の罠」を受けて、佐藤優氏の著作を読むという目的で購入。第38回大宅ノンフィクション賞受賞、第5回新潮ドキュメント賞受賞の社会的にも評価を受けた作品。「国家の罠」もそうだが、佐藤氏が過去の出来事を刻銘に記憶していることに、本当に氏の能力の高さを痛感する。ラストの「国家の罠」へのつながりが秀逸。

photo
自壊する帝国
佐藤 優
新潮社 2006-05-30
おすすめ平均 star
starソ連の崩壊に巻き込まれながら過ごした青春の物語
star「外務省のラスプーチン」が誕生するまで
starプロフェッショナルとはを考えさせられる
star人と交わること
star素晴らしい本だが、警戒しながら読んでほしい

by G-Tools , 2007/09/01

佐藤氏と9.11のアナウンサー元NHKの手嶋氏の対談集。互いに褒めあう姿が気持ち悪いが、軽い気持ちで読めていい。佐藤氏に対するバイアスが残っている人は「国家の罪」を呼んでから手を取った方がよいと思うので入門書には勧められない。

photo
インテリジェンス 武器なき戦争 (幻冬舎新書)
手嶋 龍一 佐藤 優
幻冬舎 2006-11
おすすめ平均 star
star対談は悪くありませんでしたが……
star丁々発止
star褒めあい
star国際諜報小説を読みふけるような面白さだが、現実世界の出来事となると、、、。
star■日本の外交の二人の巨塔による傑作!

by G-Tools , 2007/09/01