「日本代表ってどうよ?」に対する自分なりの回答

ワールドカップ南アフリカ大会の開催も近づいてきたこともあって、ふだんはサッカーを見ないという方々からも日本代表に関する質問を受けることがちらほらと出てきたので、代表的なFAQを挙げておきたいと思います。

日本代表って強いの?

「何と比較して強いの?弱いの?」という話でもありますが、予選リーグの4チームの中では、間違いなくチーム力は一番劣ります。

大会全体で確実に日本より下と思われるチームは、北朝鮮とニュージーランドぐらいですから、この4チームの中では間違いなくチーム力は一番下です。だからといってはじめから諦める必要は全く無いのですが、「カメルーンには勝てるぞ」とかメディアの煽動に乗ることができない状況であることは確かです。

日本代表って弱くなってるよね

確かに個のタレント面では前回大会の方が上だったかもしれませんが、チームバランスおよび戦術浸透度という面では今回の方が上だと言えます。

何より前回はコンディションのピークが大会前のドイツとのテストマッチに来てしまったり、開幕後現地で炎天下の中シュート練習を繰り返したりと、フィジカル面での調整を完全に失敗していましたが、今回は前回の反省を踏まえてプログラムが組まれているようなので、その面での問題がないと思います。

フィジカル面といえば、今回はカメルーン戦が標高1,400メートルのブルームフォンテーン、デンマーク戦が1,500メートルのルステンブルクで行われる為、高地対策が重要となります。高地での試合は酸素が薄く運動に多大な影響を与えるとともにボールの軌道が変わってしまう為です。(南米のエクアドルが標高2,850メートルの首都キトで試合を開催することでホームアドバンテージを得てブラジルを苦しめるというのはよく知られた話だと思います)
その為今回は高地トレーニングの専門家として三重大の杉田正明氏を1,800メートルのザースフェーでのスイス合宿から帯同させ十分に対策を図るようです。

岡田監督は即刻クビだよね

今の時点から解任するのは、離陸後の航空機からパイロットを突き落とすのと同じことですから正気の沙汰ではありません。

岡田監督の問題は岡田監督を選出したプロセスに問題があるのであって(そもそもオシム監督の選出プロセスこそ誤っているのですが)、岡田監督自身の問題はこの件に関しては問題の本質とは言えないと考えます。

明らかに岡田監督は「オシムサッカー」を実現するための適任者では無く、むしろそれにチャレンジして失敗→超現実的なスタイルに変更して成功した人であることはJリーグを見ている人間にとっては常識です。
つまりこの問題は「選ばれた側」の岡田監督ではなく「選んだ側」の協会に問題があったことは間違いありません。

岡田監督の戦術ってよくわからないよね

「表現が悪いかもしれないですけど、ハエがたかるように何度も何度もチャレンジしていく」とメンバー発表の会見で岡田監督が語り、日本全国が大いに驚いたと思いますが、ボールを持った大柄な外国人選手に小柄な日本人選手が複数で何度振り払われようともまとわりついて、相手のボールを掻っさらったら一気に相手ゴールに攻め入るというサッカーです。

正直ごちゃごちゃして見づらいので個人的にはあまり好きではないのですが、高さ・重さ・駆け抜けるスピードで海外の選手に何一つ勝てない日本人の身体的特徴を考えると有効な手立てであると言えるのですが、いかんせん昨年のオランダ戦で露呈したように90分体力が持たない戦術であることが何より問題です。

周囲は「90分持たない」と分かりきっているのですが、岡田監督自身が選手たちを過度に信じて期待してしまっているのが岡田監督の最大の問題点であると言われています。

あと選手選考の面で似たような選手が揃ってしまい、オシム監督も口にしていましたが「サイドから仕掛けられる選手がいない」点などは気がかりです。
まあこの点は岡田監督にも問題はあるのですが、この4年で本来は選ばれなければならなかった2005年のワールドユースオランダ大会のメンバーである家長、中村北斗、水野が成長できなかったのが誤算だったように思います。あと菊池があのような事件を起こさなければ・・・と本当に残念な気持ちになります。

ベスト4って無理じゃない?

無理です。現実的には自国開催以外のワールドカップで日本は未だ未勝利ですから、「1勝」というのが本来の目標であると考えるべきです。

しかも1勝することで予選リーグ突破の芽は出てきますから、「1勝そしてリーグ突破」を真の目標として見ていただくと健全なテレビ観戦が楽しめるのではないでしょうか。

カメルーンには勝てるんじゃないの?

「エトーさえ押さえればなんとかなる」という声もちらほらと聞こえてきますが、今大会はアフリカの大会であり、大会の盛り上がりを考える上で「カメルーンが勝ち上がる方が盛り上がる」と主催者側は考えているはずです。

2002年の日韓大会の際にモレノ主審の悪行を覚えている方もいらっしゃると思いますが、彼のような主審があてがわれ、不可解な判定によってPKからの失点で戦わずして負ける可能性が高いと私は考えています。
そうでなかったとしても、試合開始直後にカメルーン選手が適当に放ったシュートから失点し、そこから日本のプランが完全に崩れてしまう可能性があります。

ただしカメルーンとの試合は高地で行われますので、もしカメルーンが高地対策を怠ってしまった場合、日本側に勝機が生まれてくる可能性が十分にありますから、数々の障害を乗り越えてここで何とか歴史的な一勝を挙げて欲しいです。

オランダは油断してくるんじゃないの?

油断したとしても日本に負けるレベルにないのがオランダです。

ドイツ大会でブラジルから歴史的な得点を奪いましたが、その後4点返されたように、油断して1点取れたとしても、そこから本気を出されて3点取られてしまうような実力差です。特にロッペンやスナイデルといったドリブルの突破力のある選手に日本の守備陣は対応できませんから、
そこからゴールをこじ開けられてしまうことが容易に想像できます。

このゲームは如何に失点を少なく抑えることがポイントになりますので、相手にリズムを作らせない、カードの出ないファールを多発したり、簡単にボールを外に蹴り出してスローインにするなど、超悪印象で卑怯極まりないサッカーでのらりくらりと時間をつぶし、あわよくば引き分けを狙うのが最善かと思います。

デンマーク余裕でしょ?

欧州予選をポルトガル、スウェーデンを押さえて1位通過してきた国が弱いはずがありません。

フィジカルに優れ組織力のあるデンマークは日本が苦手とするタイプだけあって、
最も自由に日本のサッカーをプレーさせてくれない可能性が高いです。また、日韓大会の際にキャンプを張った和歌山の地元の方々に対するデンマークの対応は目を見張るものがあり、このような紳士的でかつ謙虚なチームが日本を舐めてかかるなど到底考えられません。
いやむしろ不純な日本は負けちまえ、そんな気分にさえさせてくれます(笑)。

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