5月5日（水） 2010 J2リーグ戦 第11節
千葉 2 – 1 富山 （18:03／フクアリ／10,313人）
得点者：69′ 黒部光昭（富山）、85′ ネット（千葉）、90’+3 谷澤達也（千葉）
勝つには勝ったが、スタメンとベンチのメンバー選定における問題がそのままゲームに反映されたように思う。勇人、工藤に代わるオプションが提示されていないという点で不安が拭えない。
開幕から試合に出続けている工藤と勇人は、この試合もキックオフ直後は出足が良くスピードのある動きで相手チェックやセカンドボール奪取を実行していったが、時間を追うにつれ運動量が減り、それに合わせてチームの勢いも損なわれていった。
特に後半2人の縦の動きが減ったことで、千葉の攻撃の形に手詰まり感が出て、サイドから崩そうにも中盤の選手とネットの間に富山がしっかりとしたブロックを築いていたため、ネットへのパスを通すこともままならない状況が続いた。
その上、富山は苔口と黒部の元千葉所属選手を除いて自陣にリトリートすることで数的優位の状況を作り出し、アレックスと倉田に対してしっかりと2人以上でマークにつくことでサイドからの攻撃も封じ、結果的に千葉は理想も理念もない、個の選手の能力に頼った雑な前線への放り込みによって局面を打開しようとしていた。
結果的にネットと谷澤というJ2規格外の選手たちのパフォーマンスによって運良く同点弾と勝越し弾を奪い試合には勝利したが、「果たしてそれでいいの？」という言葉を投げかけたくなる試合内容に終わった。
開幕時に比べ選手間の関係も良くなり攻撃に厚みが出ているのは確かだが、今日の試合に関しては、サイドチェンジを有効に使うことができなかった点を課題として挙げられると思う。セオリーどおりに片側のサイドに相手を寄せて逆のサイドのスペースを有効に使うという形を少し意識的に取り入れてはどうだろうか。
この場合にSBに位置する選手たちの動きが重要になると思うが、この選手たちに関しても疲労の色が見え隠れし、彼らも大事な場面で攻め上がりを見せられなかったように思う。
こういう過密日程だからこそベンチにも入ることができなかった他のクラブが羨む選手たちに活躍の場を与えても良かったのではないだろうか。