実際ウェブの世界では「コミュニケーション」に対する理解が皆無な気がする

「マスメディア広告万能の時代は終わった」・休刊する「広告批評」の天野祐吉氏

何だかんだいってマスメディアは広告の王様でしょう。

天野さんの話の中で何度も登場するソフトバンクモバイルの広告は、ウェブの無力さを一番痛感した広告ですしね。ソフトバンクモバイルは公式サイトはもとより、(Yahoo! Japan という武器を巧みに使いこなしているものの)競合他社が力を入れて取り組んでいるキャンペーンサイトにぜんぜん力を入れてない(かなり失礼)のに、これだけソフトバンクモバイルのブランド・イメージ形成が非常に成功を収めているのを目の当たりにすると、本当に「ウェブってしょぼいなー」と思います。いや実際しょぼい。しょぼくてインタビュー中も天野さんは「しょぼい」と言い続けてるし(笑)。

広告批評は休刊なんか言わないで、メディアというか媒体のスキームに囚われず、これからも「コミュニケーション」の伝播役としていい影響を与えていって欲しいです。

いまは広告の世界にいるのかどうか自分でもよくわかっていないのですが、背伸びして手にした広告批評がキッカケで広告の世界に入った身としては、やっぱり残念なのでもう一度ガンバっていただきたいところです。(というか誌面に登場するメンツが代わり映えしないのがなんか問題なんですよね。特に「タグボート以降」てのがパッとせんというか・・・)

あと、昨今の「なんでもネットに収れんされていくのが世の定め」という風潮はかなりキライなんですよね。音楽産業なんかは、いろんな構造的な変化が具体的に目に見える形で起こってきていますけど、「ネット=無料」の大原則ってダメじゃないかと。しかもネットの側も結局は「広告モデル」以外のビジネスモデルは生み出せていないわけなので相当しょぼいですよね。やっぱり資本が集中しないとヒトもモノもアイデアも何も集まってきませんので。ゲリラ的にやるのも一見アタマがよさそうでカッコイイのですが、それは反目する相手がいてこそだと思いますし。

なんともまとまりがない感じなのですが、ただ確かに天野さんが言うように糸井さんの最初の「転換」は見事だったと思います(いろいろ不恰好ではあったものの)。この本は糸井さんのウェブに対するファーストインパクトのライブ感を見事に伝えていると思いますし。

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ほぼ日刊イトイ新聞の本 (講談社文庫)
糸井 重里
講談社 2004-10

by G-Tools , 2008/05/20

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