9月23日(火) 2008 J1リーグ戦 第26節
千葉 2 – 1 名古屋 (19:04/フクアリ/15,266人)
得点者:39′ 小川佳純(名古屋)、47′ 谷澤達也(千葉)、48′ 深井正樹(千葉)
「最後にもう一度言いますが。自分たちは降格の危機にある。」
いま最も欧州スタイルを採用している2チームの戦いとあって、両チームのぶつかり合いは、まるで欧州のクラブどうしの試合を見ている気分にさせられた。
序盤、レイナウド、メシェウ、深井、谷澤を中心とした、縦に素早い攻めで、名古屋ゴールに迫っていったがフィニッシュの精度が低くゴールを奪うことができなかった。25分前後を境に、それまで有効に機能していた千葉の2~3人の連動した寄せが甘くなり始めたことを発端に、名古屋が自分たちの武器である両サイドを有効に使った縦と対角線上に素早い攻めを繰り出しはじめ、徐々に千葉のゴールに迫っていった。
特に、ヨンセンがボスナーを釣って作った裏のスペースを小川に付かせる攻めの形は、小川の1対1の強さもあってゴールを奪うのは時間の問題だった。そして、右サイド奥深い位置から放たれた小川のシュートは見事な弧を描いてゴールに吸い込まれていった。その後も小川はケガの青木に代わって入った早川を1対1で圧倒し、千葉のゴールを脅かしつづけ、名古屋の追加点は時間の問題の様に思われたところで前半が終了した。
後半に入り「後半2分」、「後半3分」の得点で名古屋に逆転したが、東京V戦・札幌戦と続く後半の立ち上がりの得点は、ミラーのマネージメントの効果であると言えよう。
結果的に、流石に日程の問題で後半途中から燃料が切れた名古屋の選手は、中盤で千葉の選手をフリーにするようになり、中盤で自由にできるようになった千葉は何度もゴールに迫る動きを見せ(相変わらずフィニッシュの精度は低いものの)、前回の対戦のように試合の主導権を名古屋に渡すことはなかった。
ヨンセンや玉田を自由にさせなかった池田・坂本の我慢強い守備、「杉本」といういつものカードを使うことができなかったのは、試合が終わってみると、結果を大きく左右したことに気づく。
それにても、深井・ミシェウ・早川・戸田そして前節大きな仕事をした根本と、残留争いに向けて補強した選手が全て結果を残し、ガチガチのイングランド式のフットボールを徐々に軟化させ、Jリーグで戦えるサッカーに仕立て上げたミラーは、一時的ではあるものの自動降格圏からの脱出を果たし、それらすべてを導き、選手・サポーター・フロントに「一体感」を生み出した三木社長をはじめとするフロントは本当に素晴らしいと思う。
名古屋の阿部をはじめとする後方からの早くて低い前線に向けて放たれるフィードは美しかった。名古屋にはこのサッカーで優勝してもらいたいと本気で思った。