母方の祖父・祖母の家。30年以上前から話が上がっていた区画整理の問題で、ようやく今年本当に立ち退きを迫られて、家が取り壊される。
終戦直後にほとんど仮設同然でスタートして、そこに2階部分を含めて増築を繰り返しているので、客観的に見るとかなり恥ずかしい造りになっている。よく考えれば特に冬は部屋の中まで寒かったように思う。まあ、祖父は電力会社に勤めていたこともあって、電力を使うことには全く抵抗がなかったみたいだけど。
でも、小学校の頃夏休みほぼここで過ごしていたこともあって、生まれてからこれまでの思い出が詰まり過ぎてしまっている家なだけに、いざ取り壊されるとなると、自分の半生というかアイデンティティが消失してしまう虚脱感に苛まれている。
こうやって玄関の写真を眺めるだけで「ようきたなー」と私を出迎えてくれる祖父と祖母の声や姿を思い出して脳裏から離れない。こまったね、こりゃ。