「J1ジェフの監督が日本人を批判」って

infoseek のスポーツニュースの見出しが、「J1ジェフの監督が日本人を批判」に。
リンク先は、日刊スポーツの記事で、千葉オシム監督「日本のブラジル化」指摘 (日刊スポーツ)

千葉のオシム監督が、日本代表の「ブラジル化」を指摘した。W杯で対戦するクロアチアメディアの取材を受け「Jリーグには多くのブラジル人監督と選手がいる。ただ日本人には個人主義が欠け、誰もプレーの中で責任を取らない」と批判。またジーコ監督についても「自分の信じた選手のみ使う。中村は創造性にあふれるが、あまり走らない」と皮肉った。(小柳津千早通信員)[ 2006年3月14日9時47分 ]

という記事。
この記事は、ジェフ千葉のトルコキャンプ時に行われたインタビューがもとになっていて、日本語のソースとしては、“最近サッカー番組に登場しまくっている元クイズ王”長束恭行さんの「クロアチア・サッカーニュース」の「トルコ合宿中のオシム・インタビュー」がある。
そもそもこの記事はリリース時に、「中田・中村批判」ということでサカオタの周辺で一度炎上、最近ようやくおさまってきたなー、と思っていた1ヶ月以上前の既出ネタ。かなり「なぜいまさら?」の感あり。
そして、焦点となるオシム監督のコメントは、

ジーコはブラジル学校みたいな存在だ。サッカーを愛しているし、選手も好みから選んでいる。ある代表選手は所属クラブでは不安定なプレーをしていても、彼の下では代表でプレーする。中田と中村のせいでジーコは苦しむことだろう。彼らはクラニチャルのように走らず(ボールを)待っている。ジーコのマイナスは余りにも攻撃的にプレーし、守りを固めないことだ。そのことはセットプレーでとりわけハンディキャップになるだろう。

という箇所になるが、長年オシム監督の言動を見ていれば、

  • 日本は、日本人の身体的特長の“すばしっこさ”を生かしたサッカーをすべき
  • 積極的に走って相手を追いかけて(積極的に前線からプレッシングをかけて)、ボールを奪取したらカウンターに移るサッカーを展開すべき
  • 当然、カウンター時に限らずあらゆる局面で数的優位の状況はつくるべき(それも、日本人の献身的な自己犠牲の精神がベースとなるからこそ活きる)

というオシム監督の持論の文脈に沿って、「中田と中村は(先に述べた)“マイボールにする動きが得意な選手”ではないので、ジーコ監督は苦労するはずだよ」と言っているだけなのである。

ロナウジーニョに関するコメントにあるけど、ロナウジーニョが生きるのは「バルセロナのチームメイトの献身的な動きがあってこそ」と暗に語っているように、わかりやすく言うとガットゥーゾ タイプの選手が1~2人は必要だと思うよ、と日本に対してアドバイスしてくれているだけなのである。
まあ、オシム監督もそろそろ抜き差しならない時期に来ているのは分かっているので、「メディアが飛びつきそうな言葉『中田・中村』を例に挙げて日本の危機感を煽った」という、つまりは“親心”な気がいたしますが。

しっかし、日刊スポーツも日刊スポーツだが、infoseekは煽りすぎ。「日本人批判」って。ホント、オシム監督が言うように、メディアは「その言葉で戦争を起こそうと思えば起こせる」のだなあ、と改めて実感。
オシム監督は、90年イタリア大会ベスト8の代表監督なんだし、FIFAのテクニカルディレクターなのだから、もう少し敬意を払うべきだと思う。

3 thoughts on “「J1ジェフの監督が日本人を批判」って”

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