J2:第26節 千葉 vs 柏

9月19日(日) 2010 J2リーグ戦 第26節
千葉 2 – 3 柏 (18:33/フクアリ/18,031人)
得点者:9′ 林陵平(柏)、17′ 谷澤達也(千葉)、33′ 北嶋秀朗(柏)、81′ レアンドロドミンゲス(柏)、83′ 青木孝太(千葉)

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指導者歴25年のネルシーニョ監督には、監督歴1.5年の江尻監督ではそりゃかなわない部分も多分にあるだろうて。

正直なところ前回の日立台での対戦内容から今日の試合内容はもっと悪いものを想像していたが、想像していたより良い試合内容だったのでさほど悲観はしていない。

収穫としてはなんと言っても2点目の形だろう。確かに栗澤が退場して1人少なく相手プレッシャーが弱くなっていたのは事実だが、谷澤→倉田とボールを繋ぎバイタルエリアの狭いスペースで伊藤大介がボールを受け、そして青木孝太にラストパスを供給しゴールを演出した場面だ。

引いた相手しかも相手は柏で、これまでこだわり続けてきたこの形をものにすることができたのは本当に大きな収穫だと思いたい。

そういえば栗澤の退場を誘ったファールも伊藤が同じような形で反転しながら前を向いた場面だったことを考えると、伊藤大介は江尻監督が目指すサッカーのバロメーターに図らずしもなっているようだ。

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ただし、この試合に限った見方をすれば3失点はいただけないし、特に後半同じような形で何度もゴールキーパーと1対1の場面を作られたことは反省も必要だし、何よりチームプランとしての対処も必要だろう。

ここ最近になって勇人、工藤、山口のトライアングルに対して、彼らが「スタミナ切れる」という現実を江尻監督がようやく認め交代選手と入れ替えるようになったが、今日の工藤→伊藤の交代は利にかなったものだったが、山口→林に関しては相手が1人少ない状況だったとはいえ、評価できない交代だった。

以前から何度も言っているが、交代枠に守備的オプションが不足しているし、試合途中で「攻撃の起点としての守備」を再活性させるカードの切り方ができない監督はやはり相手として怖くない。
今日の試合のように前線で味方同士の選手がスペースが被るようになり、攻撃を停滞させる原因を招くし、結局後ろに不安があるから意識が後ろを向いて攻撃をビルドアップしようとしている選手が明らかにいる。
相手サイドバックの小林が果敢にジェフの左サイドを攻め立てたのと大違いだ。

中後をベンチに入れられない理由があるのであれば、今日の試合であれば山口に代えて坂本でも私は十分に機能したと思うがどうだろうか。

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ただ冒頭で述べたように、こういった個々のポイントは指導者のキャリアや能力の差であり、互いに昨シーズンにチームをリスタートさせて今日に至るまでの積み重ねの差であるので、試合中に修正できないポイントが多分にあって致し方ないと正直に思う。
これについては知ってのようにスタジアムの外にその原因があると思うからだ。

最後に、今日の大事な試合を落としジェフは、アウェイ横浜FC戦という難しいゲームを自分たちのものにした福岡との差が開き、気がつけば5位以下のチームにも迫られている状況だ。
正直なところこれまで運に恵まれていて実力以上の結果を手にしていたと思うが、シーズン終盤になって実力通りの結果になってきたと思うのが正しいところだろう。だからこそここからは、これまでの「元J1として胸を貸してやる」という勘違いしたスタンスではなく、挑戦者の1人として純粋に目の前の対戦相手にぶつかっていって欲しい。バカ正直にやれとは決して言わないが、やはり勝利の女神はそういうところを見ていると思うから。