キリンチャレンジカップ2010 日本 vs グアテマラ

9月7日(火) キリンチャレンジカップ2010 日本 vs グアテマラ
日本 2 – 1 グアテマラ (19:45/長居スタジアム)
得点者:12′ 森本(日本)、20′ 森本(日本)、22′ M・ロドリゲス(グアテマラ)

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感想をいくつか。

  • 香川無双。結果は変わらなかった・影響しなかったかもしれないけどやはり選出しておくべきだったかも。
  • グアテマラのチームコンディションあまり良くなく、特に序盤は一方的な展開。
  • サッカーの形がFC東京時代の原監督の形に近い印象。シンプルに早くサイドを突く攻撃が小気味よい。かと思えば中央のスペースにFWを走らせる。試合途中から森本があの日のワンチョペに見えました(笑)。
  • 先制点のシーンは、長友のセンタリングに対して一度相手ディフェンスの後ろに潜みベストのタイミングでボールに合わせた森本の動きに感動。それ以外のシーンでもボールを呼び込む動きが気が利いていて本当に良かった。
  • 後半は両チームとも運動量が落ち、特にボールを受ける動きが前半ほど活発にできなくなった日本だが、人数をかけて相手を崩そうとする意志は見え、それはそれで楽しめた。
  • ディフェンスについてはメンバーの育成も含めてこれからでしょうから感想も特になし。

2010FIFAワールドカップを戦い終えて

2010年FIFAワールドカップ南アフリカ大会、日本代表チームは決勝トーナメント1回戦パラグアイにPK戦の末破れベスト16という成績を残し南アフリカの地を後にした。大会前の「0勝3敗」という戦前の心ない人々による予想を大きく裏切り、カメルーンとデンマークを下してのベスト16進出という日本サッカー界初の偉業を成し遂げた。

日本代表の躍進の原因は、「大会直前のアンカーを置くスタイルへの180度の方向転換」、「高地対策を含めたコンディショニングの成功」、「対戦国に対するスカウティングの成功」、「公式球ジャブラニへの早期対応」など様々な要因を挙げることができるが、そうした選手、監督、コーチ、スタッフ(三重大杉田准教授には本当に感謝!)だけでなく日本サッカーに関わるすべての人々の力による総力戦で成し得た結果だったと言えるだろう。

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2010FIFAワールドカップ南アフリカ デンマーク vs 日本

6月25日(金) 2010FIFAワールドカップ南アフリカ
デンマーク 1 – 3 日本 (03:30/ロイヤ/27,967人)
得点者:17′ 本田圭佑(JPN)、30′ 遠藤保仁(JPN)、81′ トマソン(DEN)、87′ 岡崎慎司(JPN)

開催国枠での出場が初出場という屈辱以外の何者でもない危機を崖っぷちから救い出し日本を初めてワールドカップへ導き、前回大会のドイツ大会からの危機的状況にあったサッカー人気の低迷に希望の光を差した今回のグループリーグ突破。日本のサッカー界は岡田武史に2度救われた。

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2010FIFAワールドカップ南アフリカ 日本 vs カメルーン

6月14日(月) 2010FIFAワールドカップ南アフリカ
日本 1 – 0 カメルーン (23:00/フリー/30,620人)
得点者:39′ 本田圭佑(JPN)

「こんな試合が見たかった」。何とも無様で世界中のサッカージャーナリストから眠いだつまらないだと散々な言われ様をしている試合内容でしたが、「リアリズムの権化岡田武史ここにあり!」とマリノスで連覇していた頃のサポーター仲間に「マリノスのサッカー一番嫌い」と言わしめる、対戦していて何とも言えない気持ちにさせるあのサッカーがそこにはありました。

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キリンチャレンジカップ2010 日本 vs 韓国

5月24日(月) キリンチャレンジカップ2010
日本 0 – 2 韓国 (19:20/埼玉/57,873人)
得点者:6′ パク・チソン(KOR)、90+1′ パク・チュヨン(KOR)

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何とも情けない試合を見ただけに怒りに任せて箇条書きで。

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「日本代表ってどうよ?」に対する自分なりの回答

ワールドカップ南アフリカ大会の開催も近づいてきたこともあって、ふだんはサッカーを見ないという方々からも日本代表に関する質問を受けることがちらほらと出てきたので、代表的なFAQを挙げておきたいと思います。

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[キリンカップサッカー2009] 日本 vs ベルギー

5月31日(日) キリンカップサッカー2009
日本 4 – 0 ベルギー (19:20/国立/42,520人)
得点者:21′ 長友 佑都(日本)、23′ 中村 憲剛(日本)、60′ 岡崎 慎司(日本)、77′ 矢野 貴章(日本)

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現在地は分からなかったが、前進していることは確かめられた。

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北京五輪 サッカー日本代表が3敗したことを受けて

現地観戦でもなくテレビでは正確に把握できないので、自信をもって言い切ることができないのだが、五輪代表は思っていたよりもやれたというのが率直な感想。特にフィジカル面では結構やれていた。まあ、失点シーンでその能力が発揮されなければ意味はないし、相手はオフシーズンだしコンディション的には相当ハンデをもらっていたと思いますが。

五輪代表に関しては、世間は「本気で勝ちに行く大会ではない」という考えなのかと思っていたら、案外そうではなかったのでかなり意外だった。本気で勝ちに行くなら、少なくとも小笠原、闘莉王あたりはメンバーに加えるかと。

いずれにせよ「サッカー日本代表」というコンテンツの価値が急激に下がり続けているので、メディアを含めサッカー界の構造転換がやはり必要なんだと思う。
そもそも代表戦しかサッカーには興味が注がれず、クラブチームに関しても海外リーグにばかり注目が集まり自国リーグには全く関心が注がれない、そんな病的で正直程度が低いサッカーリテラシでは、自国の代表チームが弱くても当然。(だからこそオシム監督は代表監督に就任したのだが)

つまり、週末に海外リーグのゴールシーンの編集映像を見て、1~2ヶ月に1回、「その職に就くに値しないアナウンサー」と「プレーを解説しない応援団レベル解説者(わざとやってるけどね)」による代表戦を見て、戦術理解度をはじめとするリテラシーが上がるとはとうてい思えない。(後藤を呼べ、西部を呼べ、せめて解説は城にしろw)

だいたい今世界中で起きているサッカーの変化・進化は、「サッカーのバスケットボール(ハンドボール)化」に他ならないので、そんなに難しい話ではない。それすら見据えられないのは、おかしいというよりワザとやっているとしか思えない。

それにしても本田圭は、こんな分かりきったことをわざわざ口にしなくても。このことに対して「そりゃそうでしょ。」と言えるウブじゃないメディアや言わせない大人のサポーターがこの国には必要。

(PKを取られたシーンについて)あとでビデオで見たが、やっぱり試合中に思ったのと同じで、バベルのドリブルが長くて、あきらめた後に倒れたということだったと思う。審判は最初から、どこかでPKを取ってやろうと決めていたかのようなレフェリングを前半の最初からしていた。そう思っても本当に残念でならない。

[movie] 日本代表激闘録 AFCアジアカップ2007 INDONESIA MALAYSIA THAILAND VIETNAM ~オシム・ジャパン進化論~

ヒトは失ってからその存在の大きさに気づくもの。

このDVDは、2007年に東南アジアで開催されたアジアカップのドキュメンタリー映像だが、そこでは俗に「ベトナム合宿」と言われているように、試合のみならず練習風景もふんだんに取り上げられていることで、オシム監督の指導法を垣間見ることができる教本的な記録映画の一面も持っている。

大会においての結果は、三連覇を逃し結果4位に終わったが、試合中のゲームの進め方、一般にはパス回しと言われているが、実態としてはオフザボールの動き(パスを受ける為の効果的に動くポジション取りの動き)の質の高さを改めて再確認できる上でも、何度も繰り返しになるが非常に貴重な記録だ。

ドイツW杯のアジア予選での試合の映像と見比べることで、フィニッシュおよびフィニッシュにつながるプレイの精度やチャレンジの回数などが批判されているものの、それを差し引いてもなお魅力的な試合をしていたと言えるだろう。

私は、オシム監督の掲げた「日本化されたサッカー」の1つのイメージとして、「良質なコンテンツだからという理由で海外の大会に招致されるサッカーの実現」をイメージしていたが、このアジア杯やオーストリア、スイスで開催された3大陸トーナメント
で披露されたサッカーを見れば、間違いなく私のイメージを軽く達成し、想像だにしなかった結果を得ることができたかもしれない。

日本は技術、経済などでは先進国ですが、色々な分野でトップでも、サッカーでもそうだというのは結論が早いと思います。」とオシム監督が語ったように、100年を越えるフットボールの歴史と比較すれば、私を含めほとんどの日本人がフットボール自体を理解していないし、(野球のスキームでフットボールを解釈しようとする)誤解すらしてしまっている。

そんな日本サッカーは目先の一勝に囚われずに、正直南ア大会の出場権は逃しても「日本化」を確固たるものとして欲しかった。

「かつてそんな志を携えて日本サッカーに全力で向き合った偉大なる人物がいた」という事実を忘れない為にも、このDVDを多くの人が見るべきだと考える。

日本代表 アジアカップ2007 準決勝 日本 vs サウジアラビア

典型的なオシムの負け試合。まあこんな感じです。

オシムが、というより個の優れた選手にカウンターで得点を奪われて、引いた相手を崩せない、というか、そうした大事な局面で、1対1で負けるとか、引いた相手に対してペナルティエリア付近での前への仕掛けや、意外性のあるプレー、例えば低くて早いクロスなど(単調なクロスは読まれてましたよね)、あとは、前半からミドルシュートを打つ積極性や、そんなプレーを選手が出せなかったことが敗因かと。

まあこれはジェフ時代も常に口をすっぱくしてオシム監督が言ってきたことなので、羽生はやっぱりその辺が分かっているのでプレーに出たけど、チーム全体の意識として、やっぱりまだまだ時間がかかるよね。といったところでしょう。

あと、CBの駒不足とオシム監督がエクストラキッカーと呼ぶ選手の持ち駒がなかった、というのもズルズルと負けてしまった原因なのですが、これまで代表に召集できなかったU20やU22にいい素材がそれなりにいるので、さほど悲観的な気分にはならないでしょう。アジアの試合でなければ大久保嘉人も呼ばれるようになるでしょうし。

それにしてもテレビな方々は、「スターがいない」「無名な選手が多い」とテキトーなことをおっしゃいますが、もう2~3年後には引退している可能性のある、のびしろのない選手を呼んでそんなにおもしろいですかねえ、と。(Jリーグすら観ていない人が代表を語ること自体がそもそも間違いなのですが)そもそも無名と呼ばれてしまっている原因は、メンバーを固定し続けて新しい選手の発掘を怠った前任者と、やはり取り上げる側のメディアの責任であるわけで、そこをオシム監督に責任を求めるのは、甚だ筋違いというか、むしろ恥ずかしいですね。

にしても「アジアごときで負けるなんて!」って好き勝手言ってますけど、アジアのサッカーの異質さがそもそも問題なんだから、やっぱり後藤健生さんが言うようにさっさとユーロに加盟した方がいいよね、と思います。ロシアの隣なんだし。

追記。個々の選手についてはこちら(サウジアラビア戦雑感/偉愚庵亭憮録)と同じ。